RE NNさん
全体的なニュアンスとして、私もNNさんの見解に共通性を感じます。
私はやはり「人間」は特殊な動物だと思っています。
チンプ、ボノボとヒトは祖先を共有しています。そしてその共通祖先はゴリラとも祖先を共有しています。
注目すべきは、チンプ、ボノボから見て、種として一番近い親戚は、ゴリラやニホンザル等、他のどの「サル」でもなく、人間だと言うことです。
事実チンプとヒトは、99%近い遺伝子的な共通性を持っていると言われています。
本来はその近縁度を反映して、外見・行動様式などが、ヒトとチンプで最も似通っているべきですが、現実はヒトだけが、取り分け行動様式の点で飛びぬけて特殊です。
つまり、A と言う共通の祖先から A1、A2、A3 と言う順序で、種が分岐したことが分かっていたとして、A1とA3は比較的似ているのに、A2だけがとんでもなく違っていると言うことは、普通は有り得ない。この有り得ないことが人間とチンプ、ゴリラ、そして他の全てのサル達の間で起こっている事態です。
この特殊性がどこから来るのか?、つまり「人間とは何か?」と言うのが目下の私の大きな問題意識である訳です。
私はこの特殊性を作り出した要因を、「道具」と「言葉」だと思っています。
そしてそれを可能としたのが、他でもない「直立二足歩行」であった、と考えています。
直立二足歩行によって、歩行から開放された前肢(手)によって道具の使用・作成が可能になっただろうし、前肢にますますの道具使用の機会を振り分けることで、より前肢が歩行の用から遠ざかったのでしょう。
そのように相携えて、ヒトは直立二足歩行を洗練させて行ったのだと思います。
その点で、NNさんのご指摘には、いたく共感します。
ただ、「最初の一歩」のキッカケまで道具の使用・作成に負うのはやや無理があり、やはりそこには進化生物学的な要因をどうしても考えざるを得ない、と言うことで、私はその契機・メカニズムとしてアクア説に納得している次第です。
やはり直立二足歩行の契機を説明できない「人類起源説」は意味が無い、と言うのが私の思いです。
なお、近年の分子生物学の知見によって、アクア説の「物的証拠」が出た、とモーガンは述べています。私が読んでも結構説得力を感じるところです。
その辺を含め、モーガンの主張するアクア説のシナリオを、今度一回まとめてご紹介してみようと思っています。尤もモーガンの著作を読んで頂ければ、私の紹介など無用な訳ですが。
専門家でも立場や見解が異なる中、ここでもさまざまな主張が提示されています。
それで結構なんだと思います。進化生物学門外漢ながら、私も随分勉強になりました。
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