生物進化トピックスの最近のブログ記事

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「新聞赤旗」記事、転載

 

以下、5月13日、5月20日、二回に渡って、『新聞赤旗』紙上に掲載された記事の画像をそのまま掲載します。自分のバックアップ用として。

画像は縮小表示されています。クリックして拡大表示でご覧下さい。

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ヨーロッパは森林と草地混在

2014/3/5(水) 新聞赤旗記事、そのまま転載

 

現生人類(ホモ・サピエンス)がやってくる前のヨーロッパは、森林と草地がモザイク状に入り混じって覆っていたようだ―。
動物のふんを食べる甲虫のフンコロガシの化石を調べた結果を、デンマークの研究グループが3日公表された科学誌『米科学アカデミー紀要』に発表しました。従来、古代のヨーロッパは鬱蒼とした森林に覆われていたとする見方が支配的でした。

研究グループは、これまでに行われたフンコロガシの化石の研究を詳細に検討しました。その結果13万2000年前~11万年前までのフンコロガシの化石は森林にすむものだけでなく、草地にすむものもいたことが分かりました。

この期間は、現在と同じ間氷期に当たり(エーミアン間氷期)温暖な気候でしたが、研究グループは森林と草地が入り混じっていたことを示すと見ています。
また、現生人類がヨーロッパにやって来た4万年前以後、フンコロガシの種類と数が大幅に減少したことも分かりました。これは現生人類の出現によって、ふんを供給する大型草食動物が減少したことを示していると言います。

新聞赤旗、2014年1月9日記事転載

皮膚の化石で判明 1.9億年以上前

中生代(約2億5000万年前~約6500万年前)に生息していた海生爬虫類の魚竜は、全身真っ黒な皮膚で覆われていたようだ―。スウェーデン・ルンド大学等の国際研究グループが、化石となって残っていた皮膚の構造や性質、組成を調べた結果分かったと、8日付の科学誌『ネイチャー』電子版に発表しました。

 

 

『新聞赤旗』2013/2/2 転載

”他人”の上手なやり方 見習います

チンパンジーもヒトと同じように、別のチンパンジーやヒトの道具の上手な使い方を見習っていることを、京都大学霊長類研究所の山本真也特定助教たちのグループが実験で確かめ、30日付のオンライン科学誌『プロス・ワン』に発表しました。
実験はジュースが入った容器を透明な壁の外側に置き、壁にあけた小さな穴からストローを容器に差し込んで、飲んで貰うというもの。最初、年齢が7歳から41歳までの9頭のチンパンジーに1頭ずつやって貰いました。その結果、4頭はストローで吸いましたが、5頭はストローを取り出しては先端に付着したジュースを舐めるやり方を繰り返しました。

ストローで吸ったグループは50mlのジュースを30秒以内に飲むことが出来ましたが、先端を舐めるやり方をしたグループは10分掛かっても飲めたのは最大20ml程度でした。

次に、先端を舐めるやり方をしたチンパンジー1頭を、ストローで吸ったチンパンジー1頭と一緒にして実験しました。先端を舐めるやり方をしていたチンパンジーは、別のチンパンジーがストローで吸う様子をまじかで観察し、自分も同じようにストローで吸うように変りました。

先端を舐めるやり方をしていた5頭のうち4頭がこの実験を通して、ストローで吸うようになりました。もう1頭も、人がストローで吸うのを見て自分もストローで吸うようになったと言います。こうした能力は年齢に関係が無いことも分かりました。

他社の技法を見て学び効率を改善することは、世代を重ねて文化を発展させる「累積文化」に取って重要で、これまではヒト特有と考えられてきました。今回の研究結果は、その基盤をチンパンジーも持っていることを示していると研究グループは考えています。

 

(2012/6/14 新聞赤旗)

チンパンジーそっくり  ■違いは0.4%

国際グループ科学誌に発表

アフリカに住む大型類人猿で、ヒトに最も近い動物の1種であるボノボのゲノム(全遺伝情報)を解読したとドイツのマックス・プランク進化人類学研究所を中心とする国際グループが、14日付の科学誌『ネイチャー』電子版に発表しました。
これでチンパンジー、ゴリラ、オランウータンを含む大型類人猿のゲノムの解読は全て終了しました。研究グループには日本の研究者も参加しています。

 

2012/3/6 新聞赤旗

 

ヒトより多様性大きい

アフリカの熱帯雨林生息

アフリカ大陸の熱帯雨林だけに生息しているチンパンジーのゲノム(全遺伝情報)の多様性が、世界中に住む人のゲノムの多様性より大きいことが分かった ―― 。
イギリスなどの国際研究グループが米科学誌『プロス・ジェネティックス』(2日付)に発表しました。

チンパンジーは、アフリカ大陸赤道付近の東部、中部、西部とカメルーン周辺に生息地があり、4つのグループに分かれています。

研究グループは、54頭のチンパンジーについて、ゲノムの818ヶ所のDNA塩基配列を解析しました。その結果、チンパンジーの間のゲノムの違いは非常に大きく、生息地が川で隔てられているだけのグループ同士でも、ゲノムの差は、別の大陸に住むヒト同士の差より大きいことが分かりました。
カメルーンのグループは他のグループとの間のゲノムの違いが特に大きいことが分かりました。

以前の研究では、カメルーンのグループは遺伝的に西部のグループに近いとされていましたが、むしろ中部のグループに近いことが分かりました。

研究グループは、ヒトは10万年?5万年前にアフリカを出た少数のグループの子孫なのでゲノムの多様性が小さく、チンパンジーは数十万年に渡ってグループ間での交配が少なかった結果、ゲノムの多様性が大きくなったと推測しています。

チンパンジーは生息地の減少、狩猟、感染症などによる絶滅の危機に直面しています。
研究グループは、チンパンジーの四つのグループ間でゲノムの多様性が大きいなら、それぞれのグループを保全できる対策をとることが重要だと見ています。

転載、ここまで。

 

関連記事

オランウータンのゲノムを初解読、予想以上の「多様性」 ネイチャー誌

チンパンジーゲノム概要版配列の解読

京大霊長類研究所サイトより
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/pub/ronbun/20120222/index.html

 

地球の生物のうち、細菌などを除く真核生物の種類は870万種に上るとの最新推計を国際地球プロジェクト「海洋生物センサス」のチームがまとめ、2011/9/23発表した。

内訳は、陸上生物が650万種、海洋生物が220万種。

海洋研究開発機構の藤倉克則チームリーダーは、「外洋の深海域など、調査しにくい場所のデータは少なく、今回は細菌などが含まれていない。地球上の生物種の総数は更に多いと言える」と話している。

 

指成長の仕組み一致―起源巡る150年の論争に終止符?

鳥 の翼と恐竜の前脚にある「指」の成長する仕組みが同じであることを、東北大学の田村宏治教授と大学院生の野村直生さんらが突き止めた。鳥が恐竜から進化し たとする仮説を裏付ける結果。専門家からは始祖鳥の発見以来、鳥の起源を巡る約150年間の論争に終止符を打つ成果との意見も出ている。研究成果は11 日、米科学誌サイエンスに掲載される。

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卵の中のニワトリの前脚、左から親人し指、中指になる。右端の指らしきものは退化する(東北大・田村教授と神山菜美子さん提供)

※ 右図をクリックすると拡大表示されます。

 鳥の起源を巡っては、羽毛のある恐竜の化石の発見が中国などで最近相次ぎ、恐竜から進化したとする説が有力になっていた。ただ鳥と恐竜はい ずれも前脚が3本指であるものの、成長の仕方が違う。このため恐竜より原始的な爬虫(はちゅう)類から進化した可能性があるのではないかとする説の間で論 争が続いていた。

 鳥と恐竜の前脚の違いは「3本の指がどの指から成長したのか」という点。これまで、ニワトリは卵の中では親指と小指が成長せず、「人さし 指、中指、薬指」の3本指になったと考えられてきた。一方、恐竜は小指と薬指が退化した痕跡がある化石があり、「親指、人さし指、中指」の3本とされてい た。

 田村教授らがニワトリの卵で指の成長を促すたんぱく質を手掛かりに調べたところ、3本指に成長したのは恐竜と同じ「親指、人さし指、中指」 だった。たんぱく質が成長の初期段階では薬指の位置にあったため、薬指が成長したと誤解されていたが、発生から3日目以降にはたんぱく質が薬指からなく なっていたという。

 この結果は鳥と恐竜の前脚の指が成長する仕組みは同じであることを示しており、鳥が恐竜から進化したという説が裏付けられた。高校の教科書 では鳥の前脚は人さし指から薬指の3本と書かれているが、これまでニワトリなどを使って実験した研究はなく、教科書が書き換えられる可能性が高い。

 前脚に羽毛を持ち最古の鳥である始祖鳥は1861年にドイツで約1億5千万年前の地層から発見されたが、当時から進化の過程を巡って世界各国で論争が続いていた。

 動物の進化に詳しい国立科学博物館の真鍋真研究主幹の話 鳥が恐竜から進化したという起源説を巡って唯一、残されていた矛盾を解消するすばらしい成果だ。現在の鳥や爬虫類などの発生過程をみれば、化石しかない恐竜の進化をさらに深掘りできる可能性を示した点でも意味が大きい。(日本経済新聞、電子版)

http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E3E2E2E6828DE3E2E2E0E0E2E3E39180EAE2E2E2;at=ALL

 

鳥の3本指、謎解明

鶏の翼に有る3本の指は、人間で言えば人差し指、中指、薬指に当たると考えられてきたのは間違いで、鳥類の祖先とされる恐竜の前足と同じ親指、人差し指、中指だと分かりました。東北大の田村宏治教授らが指の形成過程を詳細に分析し、米科学誌『サイエンス』(11月号)に発表しました。

発生生物学の教科書を掻きかえる研究成果で、研究グループは最古の鳥類「始祖鳥」の化石発見以来、150年間に渡る論争に決着がついたとしています。
田村教授は「化石の研究では鳥類の恐竜起源説が有力だったが、発生生物学では翼の指が恐竜と違うとして否定する意見が有った。20年以上研究してきて、この矛盾の謎がようやく溶けた」と話しています。

鳥類の祖先と見られる肉食性の獣脚類恐竜の前足は最初5本指でしたが、薬指と小指が退化して3本指となった種が多い。ドイツの約1億5000年前の地層から化石が発見された始祖鳥の翼も、親指から中指の3本とされました。

しかし鶏の翼の指が出来る様子を、足の親指から薬指までの4本と比べると、指の位置から人差し指、中指、薬指に見える為、教科書にもそう書かれていました。

鶏の胚は産卵後3日目ごろから衣日が出来始めます。田村教授らが卵の殻に穴を開け、いずれ翼になるところを調べると、3本の指になる部分の位置が途中でずれることが判明。足なら薬指になる筈の部分を切り取って近くに移植しても、指になりませんでした。
この為親指、人差し指、中指だと結論付けました。(新聞赤旗、2月13日付け)

 

アフリカ東部エチオピアの約340万年前の地層から、石器で傷つけた跡が残るウシやヤギのような大型動物の骨の化石を発見したと、米カリフォルニア科学アカデミーなどの国際調査隊が12日付の英科学誌ネイチャーに発表した。石器自体は見つかっていないが、当時のアファール猿人が石器で骨に付いた肉をこそぎ取ったり、たたき割って骨髄を食べたりしたとみられる。

エチオピアでは260万年前から250万年前の人類最古の石器が発見されていたが、これを80万年以上さかのぼる。

石器を作っていたか、それとも鋭い石を拾って使っただけかははっきりしないが、人類は予想以上に早い時期から道具を巧みに使っ
 ていたことが明らかになった。(2010/08/12-06:30)

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010081200051

    

 

1992年エチオピアで最初の化石・上顎部臼歯が、ティム・ホワイトを中心とした国際研究チームで発見されて以来(その最初の化石発見者は、同グループの日本人、諏訪元-当時大学院生-東大教授)、20年近い研究期間を経て、昨年(2009年10月2日)、その全体像を示す11本の論文とともに、一個体分の骨格や復元像を、サイエンスに公表した。

http://sankei.jp.msn.com/science/science/091001/scn0910012344000-n1.htm

 

私は、故桂枝雀の落語が好きで(折しも今年は枝雀、没後10年に当たる)、噺を70余りiPhonに入れ、通勤電車の中で聴きながら、一人ニタニタ、時に吹き出すと言う、周りから見たらまことにうす気味の悪い男なのだが、この枝雀が落語の枕でこんなことを言っていた。
...と言って、枝雀が直接言った、と言うことでなく或る人の言ったことを紹介していたのだが、この人(枝雀が高座で紹介している位だから、その道でひとかどの人だと思うのだが)が言うには.........、

「私がこれをやっているのは、このこと自体好きで面白いと言うことも有るが、どうもそれだけではない。これをやって上手くなることで、女の子にもてたい、関心を惹きたい、そういう気持ちが心のどこかに必ずある」

...で、これを紹介しながら枝雀も、「私もそう思いますね」と言っていた。
...で、それを聞きながら私も「全くその通りだ」と、痛く同意した次第。

 

ヒトなど脊椎(せきつい)動物の祖先は、海底の岩に付着しているホヤ類ではなく、魚のように泳ぐことができる小さなナメクジウオ類であることが分かった。日米英などの国際研究チームがナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒトやホヤなどと比較した成果を19日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
ホヤやナメクジウオには、脊椎の前段階の脊索(せきさく)と呼ばれる棒状組織があり、脊索動物と呼ばれる。脊索動物の中では、5億2000万年以上前に、従来は最初にホヤ類、次いでナメクジウオ類、脊椎動物が出現したと考えられていた。
しかし、フロリダナメクジウオの約5億2000万塩基対のDNA塩基配列を解読し、たんぱく質を作る約2万1600個の遺伝子を特定したところ、ホヤより原始的であり、染色体上の遺伝子の並び順が脊椎動物と非常によく似ていた。
一方、ホヤは並び順が大きく変わっており、ナメクジウオ出現後に独自の進化を遂げた傍流と判明した。

2008/06/19-02:24 時事通信

    

 

昨日(2008年1月3日)16時50分からののNHK番組、「大自然スペシャル―シリーズ赤道・アフリカ」で、興味深い映像を見ることが出来ました。

赤道直下のアフリカ西の果て(カメルーン、或いは赤道ギニア辺りか?)、海岸に熱帯雨林が迫り、森や湿地や草地が点在しているところでのシーンです。
ここでの湿地を「バイ」と呼ぶのだそうですが、このバイに生える草は普通の草地に無い栄養素を含んでいて、様々な動物が集まって来るようです。

この辺に生息している西ローランドゴリラも、通常は木の上を活動領域にしているのだが、時にこの草を求めて、他の動物同様バイに集まる訳です。
西ローランドゴリラは、ここで信じられない行動を取ります。NHKのナレーションを、そのまま紹介しましょう。
「一頭が水の中に入って行きます。なんと直立で歩いています。水の浮力を借りて重い体を、真っ直ぐに、しっかりと支えています。
同じアフリカで人類の祖先は初めて二足歩行をするようになりました。それはこうした状況で生まれたのではないか、そんな想像さえ抱かせる光景です」

    

 

アフリカ、ケニアで約1000万年前に生息していた類人猿の化石が発見され、『米化学アカデミー紀要』(12日付け)に発表された。

発見したのは京都大学など日本の研究者を含む国際研究グループで、見つかったのは歯が3本付いた下あごの右側の一部、及びバラバラになった11本の歯であり、大型のものと小型のものが有ることから、少なくとも2個体分と見られている。
発見場所はケニアの首都ナイロビから北西へ約300キロメートルのところにある、980万-990万年前の地層。
雌のゴリラかオランウータン程度の大きさで、歯の特徴から堅いものを食べていたと見られている。

これまで見つかっている類人猿化石との比較で、研究グループは、新属・新種の類人猿と判断。
発見場所の地名ナカリと、この地域の地質研究に従事し事故で死亡した、故中山勝弘・島根大学准教授にちなんで、ナカリピテクス・ナカヤマイと命名した。

人類発祥の地アフリカでは最近、東京大学諏訪元教授らによって、ケニアの隣国エチオピアで約1000万年前に生息していたゴリラと見られる類人猿の化石が発見されている

研究グループ、国松豊・京都大学霊長類研究所准教授の話。
アフリカでは1000万年前頃の類人猿化石が非常に少ないが、今回の発見で当時のアフリカにも多様な類人猿が生息していた可能性が強まった。人類や現世類人猿は、アフリカで進化した類人猿から生まれたことを示唆するものと考えている。

    

 

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