新聞赤旗、2014年1月9日記事転載
皮膚の化石で判明 1.9億年以上前
中生代(約2億5000万年前~約6500万年前)に生息していた海生爬虫類の魚竜は、全身真っ黒な皮膚で覆われていたようだ―。スウェーデン・ルンド大学等の国際研究グループが、化石となって残っていた皮膚の構造や性質、組成を調べた結果分かったと、8日付の科学誌『ネイチャー』電子版に発表しました。
魚竜はイルカ似で、特に中生代ジュラ紀(約2億1200万年前~約1億4300万年前)に栄え、海を支配していた動物です。
研究グループは、イギリスの博物館が所蔵している1億9000万年以上前の魚竜の化石に残っていた皮膚を調べました。その結果、長さや幅が1マイクロメートル(1000分の1ミリメートル)以上の卵形構造が見つかりました。これは、鳥の羽根などに存在している、黒褐色の色素を含む裁縫無い小器官に似ていました。更に、卵形構造の物質の組成を調べた結果、黒褐色の志木そのものと一致しました。
同時に調べた、8600万年前(中生代白亜紀)の海生爬虫類「モササウルス」と、5500万年前(新生代古第三紀)にいた海ガメ「オサガメ」の仲間の化石の皮膚からも卵形構造と黒褐色の色素が見つかりました。注目されたのは、魚竜は腹側を含めた全身の皮膚に卵形構造と黒褐色の色素が分布していると見られたのに対し、モササウルスやオサガメは背側だけと見られたことでした。
これらの海生爬虫類の皮膚が黒い色だったことは、北極や南極周辺の冷たい海でも太陽の光を十分に受けて体温を維持するのに役立ったと考えられています。
魚竜だけが全身真っ黒だったことは、光が届きにくい深い海に潜って餌を捕るのに有利に働いた可能性が有ると言います。
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