分岐とその理由

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RE ahさん

>カエルやParus属においては分岐できたわけですが,
彼らにできてヒト上科にできない理由はあるのでしょうか?

いやいや、私が「出来ない」と言っているのは、分岐そのもので無くその説明です。
現実にヒトとチンパンジー・ボノボ系統は分岐しているし、ヒト上科も分岐そのものは充分出来ていますよね。「ヒト上科」で検索すればいっぱい出て来ますから。

 

その中で、共通祖先からのヒトの分岐は、実際に説明できていません。
gbさんへのコメントでも引用しましたが、ドナルド・ジョハンソンの言葉......、

「科学が何が人類なのかをはっきり決めないままに、これまで一世紀以上もの間、人類と先人類、そしてプロト人類について論議して来たことは、滑稽に思われるかもしれない。滑稽であるにしろないにしろ、そんな状況だったのだ」

...が、それを如実に表わしていると思います。
snさんの、「そう言うものです」も又、説明できないことの白状でしょう。

 

それは何故か?
ひとえに「ヒトと類人猿を分ける第一の要因」直立二足歩行が、特殊な移動様式だからでしょう。
解剖学的にはトンデモ無い設計ミスと言うことであり、その為の代償を、腰痛、ヘルニア、肩こり、痔、メスの難産、(もっといっぱい有ったのですが、手元に資料が有りません)等などの形で今も支払っています。
この代償は直立二足歩行を始めた当初程高かった筈であって、こんな代償を払いながら、何故森の中で、それまで全く不自由なく使っていた四足歩行を捨てたのか、その直立二足歩行に移行する必要、必然性が、本当に有ったのか、これが説明を困難にしている一番の理由でしょう。
しかも、隔離も考え難い中で、チンプやボノボ系統など四足歩行を使っている種を片方に残しながら。

サバンナ説が生きていたころは、「サバンナと言う新しい環境に適応する為」と言う大義名分と森からの隔離が、兎も角も成り立ったのですが、それが破綻した今、森の中には説明する要因が何もない訳です。

 

若し今、森の中での直立二足歩行のメカニズムを、無理なくスマートに説明出来たら、進化人類学の輝けるヒーローになれるかも知れません。
ahさん、トライしてみませんか?

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このページは、雄が2010年2月 7日 10:13に書いたブログ記事です。

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