社会批評の最近のブログ記事

豊田商事に始まりオウムや今に続く統一教会等の、いわゆる霊感商法、そして今年も被害額を更新している振り込め詐欺。

勿論一番悪いのはその仕掛け人たる加害当事者、つまり犯人だ。これは全くその通り。
しかしこれだけ繰り返しくりかえし、その犯行と手口が知られて来ている今、相も変わらずその手口に乗ってしまう「被害者」を、単に100%同情の対象としての被害者と見れるか?、私は些か冷やかになってしまう。

※ この点で、私は、TVのワイドショーや女性週刊誌の、視聴率優先・販売部数優先の興味本位、非科学的蒙昧垂れ流しを声を大にして弾劾したい。

宜保 愛子だの細木某女だのを無批判に、と言うより提灯持ちで登場させ、「水子霊」だの「前世の祟り」だの、或いは「心霊写真」だのと喧伝し、庶民の心情に霊感商法を受け入れさせる素地を作ったのはこれら、TVを中心としたマスメディアと女性週刊誌ではないか。
しかも、彼らはその被害の責任を一切取っていない。
だけでなく、被害者が出れば今度はその状況を取材のネタにして、さも第三者を装っての「報道」で売上に励む。

直接の犯行は加害者たる犯人だが、これらマスメディアはこの犯行に群がるハイエナじゃないか。って、実際のハイエナは単に自然の食物連鎖の一環で、この比喩はハイエナに対しても失礼極まる。ハイエナチャン、ごめん)

最初に霊感商法や振り込め詐欺の例を出したのは、同じことが政界で行われていて、もういい加減にその詐欺的手法に気がつけよ!、ってことを言いたかった訳。
そしてその中でのマスメディアの役割も又、同じようなもんじゃないか、って思わざるを得ない「今日この頃」。

 

 

猫も杓子も規制緩和

総選挙も最終盤、長引く不景気・デフレ対策が大きな争点となっているが、日本共産党を除く各党が口を揃えて「規制緩和」「競争原理の推進」を主張している。

素朴な疑問

この、新自由主義的「規制緩和」「自由競争推進」手放し肯定論に対し、言いたいことはいっぱいあるが、その前に先ず素朴な疑問。

  1. 規制緩和が不可欠だと言う人は、一体今、どんな規制が障害となって、自由な企業活動が妨げられ、経済の成長を損なっていると言うのだろう?
  2. 一体これ以上、日本のどこを規制緩和し、自由競争を推進したらデフレから脱却でき、景気が上向くと言うのだろう?

 

聞こえてくるのはスローガンだけで、項目を挙げての具体的な答えは誰からも聞こえてこない。
維新の会の石原代表が、政見放送の中で「例えば……」として唯一持ち出して来たのが、何と日本の会計制度が単式簿記だと言うこと。それで官僚がちゃんとした見通しを持てないんだと。
具体的に問われればこんなことしか挙げることが出来ない。「言うにコト欠いて」とはこう云うことだろう。呆れてモノも言えない。

デフレが続き、日本経済が落ち込んでいるのは事実だ。先進国の中で唯一「成長の止まった国」と言われて10年以上にもなる。
その間、一貫して政権を握り、やろうと思えば規制緩和でも何でも出来た筈のアレコレの政党とそこから枝分かれした連中が、選挙を前にして官僚に罪をなすりつけてのいい訳が、「規制緩和」のスローガンじゃないのか。

 

私は、故桂枝雀の落語が好きで(折しも今年は枝雀、没後10年に当たる)、噺を70余りiPhonに入れ、通勤電車の中で聴きながら、一人ニタニタ、時に吹き出すと言う、周りから見たらまことにうす気味の悪い男なのだが、この枝雀が落語の枕でこんなことを言っていた。
...と言って、枝雀が直接言った、と言うことでなく或る人の言ったことを紹介していたのだが、この人(枝雀が高座で紹介している位だから、その道でひとかどの人だと思うのだが)が言うには.........、

「私がこれをやっているのは、このこと自体好きで面白いと言うことも有るが、どうもそれだけではない。これをやって上手くなることで、女の子にもてたい、関心を惹きたい、そういう気持ちが心のどこかに必ずある」

...で、これを紹介しながら枝雀も、「私もそう思いますね」と言っていた。
...で、それを聞きながら私も「全くその通りだ」と、痛く同意した次第。

 

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