「直立二足歩行」に関して、三つの質問

| コメント(0) | トラックバック(0)

RE snさん

>森林の動物にかかる淘汰圧は同じではありませんし,
『(雄さんが考えるような)隔離』がなければ種が分化しないというのも誤りです
>「ご都合主義」なのではなく,生物の進化というのはそういうものなんです
結局,この部分は雄さんの「生物進化に対する認識」が間違っているから納得できないだけなんですよ

 

隔離なしの同じ環境下で、種分化が絶対無いとは私も言いません。ただそう主張する為にはその為の特別な説明が必要だろう、と言っているのです。
その説明が付かない主張に「生物の進化というのはそういうものなんです」では、「ご都合主義」と言われても仕方ないだろうと言うことです。

 

nsさんから出て来た説明が「二足走行」でした。
それを受けて前回私の方からお伺いを建てておいた質問に、未だ回答が有りません。
「ご都合主義」と言われない為にも、是非お願いします。

 

【宿題の質問】

そこで最初に確認させて頂きます。
現生の類人猿、霊長類、哺乳類で、時に直立する種、或いは二足歩行をする種は、snさんもご指摘の通り結構います。

この中で、天敵など危険が迫り「一目散に近くの木まで走って」行く時、或いは逆に餌となる動物を追う時、仲間内の争いで必死に追ったり逃げたりする時、メスの囲い込みの為、オスがハーレム内を走り回る時、逆にオスの「子殺し」からメスが必死で逃げ回る時、「二足走行」を専らとする種が、例え一つでも有った ら教えて下さい。

事のついでにもう二つ程お聞きしたいと思います。

>以前,mkさんにも注意されたように,
>生物の進化の実体について議論している時に,そんな辞書的な定義を持ってきても無意味です

文献やNetからの引用が一番多いのは、snさんご自身だと思いますが、それにしても驚くべき発言です。
そもそも対象に対する共通の定義無しに、何を足場にして討論すればいいんですか。

ヒト定義の第一項目は「直立二足歩行」です。
これは現代進化人類学で確立されている命題です。
私はたまたま手元にある岩波生物学辞典から、自身の主張の根拠として引用しましたが、個々の辞書や論文を超えた、言わば学問上の定説です(根拠を出さないと今度は、「出典を示せ」と言われるしね)。

 

定義、概念、科学的カテゴリーなどは、単なる文字列では有りません。
それが確立されるに至る、長い、深い内容を含んでいます。言わばその時点での、人類の認識の到達点が凝縮されたものです。
特にこの場合で言えば、20世紀最大の科学的捏造事件ともされた「ピルトダウン人」の痛恨の反省を踏まえてもいます。

勿論定義や概念も当然変化します。例えば「光線→電磁波→波と粒子両方の性格を持つ、現代量子論的理解」。しかしそれは多くの場合、否定されるのではなく人間の認識の深まりとともに内容がより豊かになるのです。

>「チンプも実はかつて常時直立二足歩行を獲得していたが、後に二次的に二足歩行を失っていた」なんてことが明らかになったらどうします?
>しかし今後そういう二次的に二足歩行を失った化石人類が出てこないとも限らないんですよ?

こんな他人(mkさん)の空想的推定を根拠に、「そんな辞書的な定義を持ってきても無意味です」と仰るsn30さん。
無意味だと言うのは単に自分に都合の悪い内容だった。それだけのことじゃないですか。

オロリンの大腿骨、サヘラントロプスの頭蓋骨が、何故それだけでヒトと同定されたか。そこに直立二足歩行を推測させる特徴が有ったからですよ。

snさんが「アルディの形態的特徴とチンパンジーの起源」で触れている、「歯」も勿論重要です。事実1992年、諏訪元が最初に発見し、アルディピテクス属の新設に繋がった化石は、下顎骨片、及び歯でした。
歯の重要性を否定するものでは有りませんが、直立二足歩行と同列では有りません。
直立二足歩行の痕跡と比べれば、「デンタルホミニドに過ぎない」と言った言い方をされる場合が有ります。

そこで「そんな辞書的な定義を持ってきても無意味です」と仰るsnさんにお伺いします。

【二番目の質問】

ヒトの特徴として、「直立二足歩行」を「無意味」だとする見解。或いは二次的、副次的なものだとする見解が、進化人類学の分野で、書籍、論文、Web等に有りましたらご紹介下さい。

要するに私は、直立二足歩行に対するsnさんの過小評価が有ると思っています。
勿論それは「見解の相違」「重みづけの違い」で結構なんですが、事実関係として上記二つの質問に加えて、次のことをお伺いします。

【三番目の質問】

地球上には様々な動物の移動様式が有ります。
どの移動様式をとっても、種、属を超えて多くの動物種が参加?しています。
例えば「空を飛ぶ」だけとっても、各種の鳥、何種類あるかおそらく特定できない多くの昆虫、コウモリ等の哺乳類等など。
これは地上、地中、水中など、どの移動様式をとっても見られることです。

そこでお伺いします。
地球上の全ての(絶滅種を含んで結構です)動物で、「直立二足歩行」に特化した動物を、ヒト以外で一種で良いですから教えて下さい。
特化と言う意味は「応急的に、を超えて専ら」と言うことです。宜しくお願いします。

私の知る限り、それはペンギンだけです。ですからこれは除いて下さい。
ペンギンの「直立二足歩行」とヒトのそれとの関係については、機会が有ったら述べて見ます。

以上三点に正面からお答え頂ければ、多分ヒトの直立二足歩行の特殊性が、snご自身の文章から、自ずと浮かび上がってくるものと思っています。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://y-ok.com/mt-tb.cgi/243

コメントする

このブログ記事について

このページは、雄が2010年2月16日 10:26に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「事実に即した議論」です。

次のブログ記事は「RE 進化に関する議論における種の定義」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

最近のブログ記事