アクア説と無毛性

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RE ひろさん

「サバンナ説」「イーストサイド・ストーリー」が破綻した今、私自身としてはアクア説にますます傾斜してはいるのですが、ここでの議論の経過を見て頂ければお分かりのように、内容に沿ったアクア説そのものの主張を、私は殆どしてこなかった積りです。
アクア説を傍証する、例えば毳毛、水の流れに沿った毛流、皮下脂肪、太った胎児等など、モーガンがこれでもか、これでもかと書いている要因にも一切触れていません。
無毛性に関しては、まさ海苔さんからもご指摘を頂いています。

 

    

 

このトピの出発点、そしてここでの私の一番のテーマとしては、今回のホワイト達の発表により、サバンナ、ストーリー説が破綻した今、求められるものは何か、と言うことで......、

  1. 森の中での直立2足歩行獲得のメカニズムを説明できるか
  2. サバンナ以外の、森でないところでの要因を探すか

...に沿った議論をしてきました。環境と淘汰圧、隔離を中心に。

言わば「アクア説」以前の問題です。
森の中での直立2足歩行獲得のメカニズムは、私には説明できないと思うし、森以外の要因として、私は水を考えている、と言うことでした。水以外は考えられない、と言った方がいいか。

 

アクア説の具体的な内容に関しては、今ここに出しても、多分終止のつかないことになります。
gbさんへのコメントでも書いたことですが「700万年前に『なにが有ったか』を特定するのは非常に難しい」。

今後、

  1. 森の中での直立二足歩行獲得のメカニズム
    ...について議論が熟し、私としては、
  2. サバンナ以外の、森でないところでの要因
    ...を、進化人類学全体で模索せざるを得ない時期が来た時、一つの有力な仮説としてアクア説が浮上してくるものと思っています。

それまでは「人類のルーツを巡るロマン」と言う感じで、あまり緊張感のない雰囲気で、見解の相違を尊重しながら、気楽に語られるといいと思っています。率直に言って個々の専門的な要素に対し、私は反論する知識が有りません。

 

アクア説を支持しながらも、一部モーガンの主張に異議を唱えている人もいますし。

無毛性について一言だけ言うなら、アクア説を採れば、ヒトだけの特殊性を主張できます。
しかし森林説を採る限り、「何故ヒトだけが」「そんなに適応的なのであれば、何故他の種にそれが発達しないのか」と言う、特有のジレンマがここでも発生します。
それに、森の中で裸のサルは、より一層考えにくい。

こんなところで勘弁して下さい。
なお専門的な情報提供は、仮に批判的な立場からでも歓迎するものです。

    

 

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このページは、雄が2010年2月22日 10:17に書いたブログ記事です。

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