ヒトなど脊椎(せきつい)動物の祖先は、海底の岩に付着しているホヤ類ではなく、魚のように泳ぐことができる小さなナメクジウオ類であることが分かった。日米英などの国際研究チームがナメクジウオの全遺伝情報(ゲノム)を解読し、ヒトやホヤなどと比較した成果を19日付の英科学誌ネイチャーに発表した。
ホヤやナメクジウオには、脊椎の前段階の脊索(せきさく)と呼ばれる棒状組織があり、脊索動物と呼ばれる。脊索動物の中では、5億2000万年以上前に、従来は最初にホヤ類、次いでナメクジウオ類、脊椎動物が出現したと考えられていた。
しかし、フロリダナメクジウオの約5億2000万塩基対のDNA塩基配列を解読し、たんぱく質を作る約2万1600個の遺伝子を特定したところ、ホヤより原始的であり、染色体上の遺伝子の並び順が脊椎動物と非常によく似ていた。
一方、ホヤは並び順が大きく変わっており、ナメクジウオ出現後に独自の進化を遂げた傍流と判明した。
2008/06/19-02:24 時事通信
コメントする