人間の文明の本質、目の前に展開している事実を、どうして直視・理解できないのか

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既に撤退をした某掲示板で、私の「文明論」に対し、次のような反論?、批判が載った。
人間の文化・文明、道具、及び、他の動物と人間を考える上で格好の素材だとも言えるので、これを批判する形で「人間の本質」論を述べて見よう。

 

>ヒトが今築いた文明はヒトの身体的特徴を反映したものなのは当然でしょうね。
ヒトとは違う身体的特徴を備えた生物なら、「仮に文明を築いたとしても」ヒトとはどこか違うものになる可能性が高いでしょう。
>ヒトの築いたような文明のみを文明と呼び、そのような文明を持つものをヒトと呼ぶならば、文明はヒトだけのものであり、ヒトの身体的特徴は全て、文明に必須です。

私の主張は、この投稿子が誤読と云うか曲解していることとは逆に、「人間の行動・文明は『身体の構造に依存しない』」と云うことだった。繰り返し述べているその主張を真逆に「理解」した上で、「身体的特徴を反映したものなのは当然でしょうね」等と、二重に間違いを重ねながら揶揄した積りになっている。
人間を、その文明や社会まで含めて「生物学」の枠内でしか考えることが出来ない時、結局この程度の文明論しか出て来ないのだろう。何よりここには現実をまるで見ていない、頭の中だけの空論に堕した「脳内お伽噺」しかないと言うことだ。主観を排して素直に現実を見た時、事情はこの投稿子の主張とは全く逆である。

人間の文明の最大の特質は、「ヒトの身体的特徴を反映したものなのは当然」などでは無く、逆に「身体的特徴を反映しない、依存しない」ことにこそ有る。だからこそこれだけ多様な展開が、それも急速に可能なのだ。

トリの身体的特徴である羽根など持っていなくても、人間は鳥よりも早く空を飛ぶことが出来る。チータの身体的特徴を持っていなくても、どの動物以上に早く走ることが出来る。
ゾウやウマの身体的特徴を持っていなくても、それ以上の力を発揮することが出来る。それが人間の道具であり、文明であり文化だ。
普段は生物学的な遺伝子に対抗して「ミーム(分化子)」等と、分かったようなことを言うくせに、そう言う知識がその時その時の単なる言葉遊びにしかなっていない。

それぞれの動物種は、その生物学的身体的特徴を反映した行動しか取れない。つまり彼らの生活様式は彼らの身体的特徴に依存し、その枠内でしか有り得ない。云いかえれば人間以外の動物の行動は遺伝子DNAに密着している。その意味でいわゆる「本能」的行動の域を大幅に逸脱することは有り得ない。
人間以外の全ての動物は、その身体の外観や特徴を見るだけで、ほぼその生態・行動を簡単に予測できる。
もし彼らの行動や生活様式を、 彼らの「文明」と呼ぶとして、その文明を発達させようとしたら彼らの身体的特徴そのものを発達させなければならない。ある種の恐竜が前肢を羽根に変化させて空を飛ぶと言う「文明」を獲得したように。これを「生物進化」と呼ぶのであって、生物学的進化と別に彼らの文明等と言うものは、基本的に有り得ない。

それに対し、人間の道具は身体器官の延長・代用だがその進化に遺伝子的変異を必要としない。つまり生物学的進化を必要とせず、行動や生活様式を進化させることが出来た。
ヒトが自分自身を生物学的に進化させること無く、道具を作り・使って環境に働きかける道に踏み出したこと。その道具を進化させることで、自分自身は生物学的になんら変わることなく、行動や生活様式を激変させることが出来た。それこそが「人間の文明・文化」なのだ。

ホモ・サピエンスが地球上に出現したのがおよそ20万年前、「行動の現代性」を備えたのが3万年~6万年前と言われているが、その間、生物学的な「進化」など全く無いまま、文化・文明は劇的に発達して来た。
或いは現在地球上の全ての人類は、種としては単一で、その遺伝子的変異のバラつきは0.07%に納まると言うが、各民族間の文化・文明の違いは、種としては異なり、遺伝子の違いも遥かに大きいチンパンジーとボノボの何倍も有るだろう。
文化が「ヒトの身体的特徴を反映したものなのは当然」だと主張する各位は、一体これをどのように説明するのか?

「身体的特徴を反映した文明」と言う言葉自体、論理矛盾なのだが、当然そんなことは彼らに取って理解の外だろう。

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このページは、雄が2010年5月20日 10:00に書いたブログ記事です。

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