「約3万年前に絶滅した旧人「ネアンデルタール人」のゲノム(全遺伝情報)を骨の化石から解読したところ、現生人類とわずかに混血していたと推定されると の研究結果をドイツのマックス・プランク進化人類学研究所や米バイオ企業などの国際チームが7日付の米科学誌サイエンスに発表した。」
この件は私も新聞情報で確認済みでしたが、このジャンルでは新発見が相次いでいて、本当に油断が出来ません。
ネアンデルタール人とホモ・サピエンスとが、或る期間共存していたらしいこと、しかし交配は無かったらしいとの説が、これまでは有力でした。
その一つの理由としてジャレド・ダイヤモンドは、ネアンデルタール人の言語の未発達を挙げています。
ことばも(殆ど)喋れず、鳴き声や叫び声だけの相手のメスをみて、ホモ・サピエンスのオスもあまり、性的興奮を覚えなかったと言うことでしょうね。
単一種だけの今の我々からは中々想像することさえできない訳ですが、我々から見るチンパンジー的存在に似たようなものだった、と言うことです(そう言う相手に異常に性的嗜好を示す現代人のオスも、一部いるようですが)。
ネアンデルタール人の「文化状況」については、taさんが図書館で借りて来たと言う「歌うネアンデルタール」にも詳細に説明されていますね。
当時のネアンデルタール渓谷に「HMMMMMM」が響き渡っていたかどうか、それは分かりませんが、兎も角ネアンデルタール人には今の我々が使っているようなコトバは無かったようです。
著者のスティーブン・ミズンの言う「認知的流動性の欠如」は、結構あちこちで引用されていますね。
今回の発表で、現生人類にも旧人由来のゲノム上の痕跡が見られると言うことは、ホモ・サピエンスのメスもネアンデルタール人のオスを受け入れていた、と言うことですよね。その「ゲノムの約1-4%が旧人由来と推計された」が、どの程度の意味を持つのか、或いは、
混血の時期が、ホモ・サピエンスのいわゆる「行動の現代性」の時期か、それ以前の「解剖学的現代性」の時期か、色々今後の研究が待たれます。
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