「人類の進化」-植原和郎

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直立二足歩行(p-26)
人類と類人猿との違いはなにか、と言う問いに対する人類学者の答えは、
「二足直立歩行をするか、しないか」である。

直立二足歩行有利説(P-64)

  • セックスアピール
  • 食物運搬説
  • 威嚇効果
  • 遠くを見渡す効果

ヒト(P-34)
ヒトと言うことばを教義に解釈すると現代人、つまりホモ・サピエンスの日本語学名でも有るのだが、分類学的には古代・現代の人類と類人猿を含むグループを「ヒト上科」と言い、類人猿以外の人類全体を含むグループを「ヒト科」と言う。そこで、ここでは生存年代の新旧や進化の段階を問わず、明らかに人類的特徴を持つグループ、つまり「ヒト科」に属するグループや個体を便宜上「ヒト」と呼ぶことにする。したがって、いかに紹介する猿人もヒトの一部であることをご理解いただきたい。

 

    

 

骨盤(P-38)
既に紹介したように、ヒトのもっとも基本的な特徴は二足直立姿勢である。
姿勢が変わると体中の全ての骨の形も変化するが、それが特にはっきり現れるのは胴と下肢をつなぐ骨盤である。

ガルヒ猿人(P-52)
何よりも注目されるのは他の猿人に比べてヒトの特徴を強く持っている点である。
………例を挙げると、下肢の長さが後の時代の人に近いこと、石器を使って動物の皮を剥ぎ取ったり骨髄を取って食べたりしていた―― つまり肉食をしていた―― らしいことなどで、これは他の猿人には見られない進化と言っていいだろう。

拇指対向性(P-70)
ホモ・ハビリス
さらにおもしろいことに、ヒトでも生後間もない赤ん坊には拇指対向性が無く、類人猿的な能力しか持っていない。

石器文明-オルドワン(P78)


担い手はハビリス

  • 1990年までの成果によると、最も古い石器はタンザニア・オルドヴァイ谷で発見された石器で、約180万年前と言われていた。
  • その後、エチオピア南西部のオモ川流域、及びケニヤ・トルカナこ周辺地域でも古い石器が発見され、これらは230万年前。
  • 1996年暮れから正月に掛けて………エチオピア、アッペ湖に注ぐアワッシュ川の下流域、その一つであるハダールで発見、230万年前。猿人でなくホモの段階。
  • 1992-1996年、ハダールに近いゴナと言う場所で沢山の石器を発見。慎重な年代測定の結果、260-250万年前と言う結果。現在のところ最古。
  • 年代は古いがオルドヴァイ型石器の制作技法はかなり高度。
    剥ぎ取った剥片と残りの石核を様々に加工して利用。
  • 道具を造る文明は猿人段階で無く、原人段階から始まったと言う可能性が高い。

アシュール文化-サン・アシュレアン(P128)
担い手はホモ・エレクトス

  • フランス、サン・アシュール遺跡から、その後アフリカやアジアの一部に分布確認。アフリカ(オルドワンから発展)から拡散したものだろう。
  • 160-20万年前
  • 代表型-西洋梨型ハンドアックス
  • 石を割る為の石-ハンマーストーン(道具を造る為の道具の発達)
  • 百数十万年に渡って続く。前半(エレクトス時代)の技法の進化は僅か
    「想像を超えた一様性」-アメリカ考古学者A・ジュリネック
    「文化の停滞は言語も知能も殆ど発達しなかったことを意味する」?W・W・ハウエルズ
  • ※ 1988-96年、中国南部広西チワン族自治区。80万年前のハンドアックスが大量に発見

「文化とは人間の非遺伝的適応能力」(P294)
L・ホワイト

    

 

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永築當果
http://ameblo.jp/nagatukitouka/

突然お邪魔します。小生、8月末に「人類水生進化説」をブログ記事にしました。エレイン・モーガンの書の概要説明が主体になっていますが、間違いを正したり、幾つかの補足で、より強化したものです。
ブログ掲載後、どなたか同じような主張をなさっておられる方はないかとネット検索したら、貴兄のブログに行き当たりました。
記事がたくさんあり、その一部を見ただけですが、人類進化とともに社会進化も考察なさっておられますね。小生も、そこが重要と考えています。
そのためにも、密接な関係にある人類進化のなぞを解かねばなりません。
小生もそれに挑戦しているのですが、一定の結論を得ました。まだ、記事にしていませんが、取り敢えずは、「人類水生進化説」をブログ化するなかで、社会進化を探る糸口をお示ししたつもりでいます。
お時間がありましたら、小生のブログを覗いてみてください。
「永築當果のブログ」の中の「人類水生進化説」です。(URLのとおりです。)

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このページは、雄が2011年5月 3日 08:58に書いたブログ記事です。

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