>結局霊長類にとって普遍的な行動であって、ヒト固有の行動ではないという結論になったりして。
そう言う面は多いに有ると思います。
- 応急的に直立二足歩行をする例は、霊長類で幾つも観察されています。
- 道具の使用だけでなく作製まで、その観察例は他の動物で結構有ります。
- ニホンザルは30種類くらいの鳴き声(音声言語)で、コミュニケーションを取っているそうです。これは他の霊長類、クジラ、イルカ、など多くの動物にも広く見られます。
- チンプやボノボに見られる「群れ」は、おそらくヒトとの共通祖先にも当然見られたことでしょう
だから共通祖先から分岐した時、そう言う「普遍的な行動」をリソースとして、ヒトがその後の進化の土台とし得たことは当然のことだと思います。
そしてそれらの「普遍的な行動」は、他の霊長類と同じく、進化生物学的な適応以上のものではなかったでしょう、ヒトの出発点においても。
しかしその後.........、
- 直立二足歩行に特化した種は人間だけです。
- 遺伝子変異を伴う形質変化に依存せず、道具の進化によってその行動様式を急速に、劇的に変え、地球の運命さえ左右するまでになったのは人間だけです。
- 人間の言語は、他の動物の「音声言語(鳴き声)」とは、質的に異なるほどに進化して、人間に抽象的思考、概念を与えています。
- チンプやボノボの群れ、アリやミツバチの「昆虫社会」と、人間社会は質的に異なります。他の動物の群れや「社会」は、端折って言えば遺伝子に依存した状態で留まっていますが、人間の社会はそのレベルから脱しています。
霊長類や生物一般との普遍性と共に、人間固有な行動との関係を考えたい、と言うのが私の問題意識です。言葉を変えれば「連続と飛躍」です。
コメントする