アフリカ、ケニアで約1000万年前に生息していた類人猿の化石が発見され、『米化学アカデミー紀要』(12日付け)に発表された。
発見したのは京都大学など日本の研究者を含む国際研究グループで、見つかったのは歯が3本付いた下あごの右側の一部、及びバラバラになった11本の歯であり、大型のものと小型のものが有ることから、少なくとも2個体分と見られている。
発見場所はケニアの首都ナイロビから北西へ約300キロメートルのところにある、980万-990万年前の地層。
雌のゴリラかオランウータン程度の大きさで、歯の特徴から堅いものを食べていたと見られている。
これまで見つかっている類人猿化石との比較で、研究グループは、新属・新種の類人猿と判断。
発見場所の地名ナカリと、この地域の地質研究に従事し事故で死亡した、故中山勝弘・島根大学准教授にちなんで、ナカリピテクス・ナカヤマイと命名した。
人類発祥の地アフリカでは最近、東京大学諏訪元教授らによって、ケニアの隣国エチオピアで約1000万年前に生息していたゴリラと見られる類人猿の化石が発見されている
研究グループ、国松豊・京都大学霊長類研究所准教授の話。
アフリカでは1000万年前頃の類人猿化石が非常に少ないが、今回の発見で当時のアフリカにも多様な類人猿が生息していた可能性が強まった。人類や現世類人猿は、アフリカで進化した類人猿から生まれたことを示唆するものと考えている。
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