※ 現代のミステリー、川の流れの相関関係
※ 現代のミステリー、川の流れの相関関係
かって豊富なハケのわき水と、それを集めて滔々と流れていたであろう武蔵野台地上の川。
開発と生活様式の変化で湧水も細くなり水も汚れて、あたかも下水路のように荒れたまま放置されていた時期も有ったようです。
近年景観の保全と歴史遺産の保護・復活運動、せせらぎ復活事業等によって、各地で川の流れが復活しつつあります。同時にそこには摩訶不思議な水の相関関係・水のやり繰りの仕掛けがあります。
相関関係Map
下図をクリックして下さい。拡大表示されます。
表示されたMap上で、関連個所を表記しておきました。赤い丸○ をクリックすれば、該当するページが開かれます。
仙川「源流」のミステリー
ここで取り上げる河川相互の水のやり繰りの中心は、仙川だと言っていいでしょう。
仙川自体の、必死の水のやりくり
上掲Mapには表示出来ていませんが(こちらの地形図参照)、仙川自体、既に本来の自然の源流は無いに等しく、現在の仙川を流れているのは樋口取水場で取水された1日3000トンの湧水です。言わばこれが実質上の「源流」になります。その水を1.6キロ上流にポンプアップ、野川宿橋で放流しています。つまり「源流」は川の最上部に無く、流れを下ったところになると言う不思議さです。
更に東部下水処理場で高度処理された再生水が追加放流され、合わせて現在の仙川の流れになっています。
谷戸川、谷沢川(等々力渓谷)の「源流」
仙川は世田谷区鎌田で野川に合流、更に野川は二子玉川で多摩川に流れ込む訳ですが、その途中の世田谷区岡本地区、新打越橋脇の取水施設で流れの一部が取水され、ポンプアップされて国分寺崖線を駆け上がり、片方は世田谷区砧公園で放流、上流からの本来の流れと合流して谷戸川の主要な水源となっています。
もう片方は谷沢川(等々力渓谷)、この放流現場は世田谷区用賀二丁目の首都高速橋梁下の田中橋付近。等々力渓谷は周りの崖からの、今は乏しくなった湧水と、この仙川由来の水とで流れが維持されていることになります。
丸子川の摩訶不思議な水のやり繰り
谷戸川は世田谷区岡本地区で丸子川に合流します。
丸子川は元々六郷用水(次大夫堀)の、水神橋から下流部分の流路をそのまま引き継ぐ形で現在に残した、いわば歴史的な遺構と言えますが、勿論現在、六郷用水としての上流からの水の供給は無い。現在の丸子川は、上掲Map或いは紙の地図等を見る限りでは、世田谷区岡本地区の東名高速高架下辺りで、仙川から分水されているかに見えます。
しかし実際は直接仙川から水を得ている訳ではなく(第一、仙川の水面の方がずっと低い)、国分寺崖線沿いの世田谷区立大蔵三丁目公園、或いは岡本公園等の湧水を集める形で流れ、更に上記のように谷戸川の合流を得て流れて行きます。
しかし元々谷戸川の水自体、仙川からの取水・ポンプアップによる放流によるものであり、回りまわって丸子川は谷戸川経由での仙川の水が流れ込んでいることになります。
更に丸子川と谷沢川との関係は一層不可思議です。
丸子川は世田谷区野毛地区で、谷沢川とぶつかり、地図上ではあたかも伏せ越しか掛け樋で谷沢川と交差しているかのように見えます。実際、かっての丸子川-六郷用水は掛け樋で谷沢川と交差、超えていたとのこと。
しかし現在の丸子川はここで大きく方向と傾斜を変え、橋の下で谷沢川と合流して多摩川に流れ込んでいます。ここで一旦丸子川の流れは途切れるのですがその様子は橋の上からは見えにくくなっています。
そして谷沢川を超えた反対側から水が湧き出し、丸子川として引き続き流れているかに見えます。ここで湧き出している水源は、実は谷沢川で取水された水です。つまりこの地点を境に、丸子川の上流と下流では全く水の系統が異なるのです。
………と言っても、この谷沢川の水も又、上記のように仙川から供給されている訳で、その意味では系統が同じ、と言って言えない訳でも有りません。
現代の「清流」を維持するのも、中々大変なことでは有ります。
スタンドアロンの野川
見てきたように現在武蔵野台地上を流れる河川の多くは、殆どその水を地下水の汲み上げや高度処理再生された下水に負っています。上記仙川は勿論、神田川、石神井川、目黒川、渋谷川等例外では有りません。
その中で野川だけは私の見る限り、そう言う人工的な水の補給無しで流れています。言わば自前の水で賄っているのです。
源流は日立中央研究所大池、或は真姿の池などの自然の湧水だし、途中の新次郎池、貫井神社弁天池、滄浪泉園、野川公園自然観察園等からの湧水、そして深大寺周辺からの豊富な湧水。
仙川合流まで、おそらく野川はこれら自然の湧水だけで流れを維持しています。その為も有ってだろう、季節によって水量も増減が見られます。
今となっては貴重な水系だと言えます。
仙川「源流」のミステリー
ここで取り上げる河川相互の水のやり繰りの中心は、仙川だと言っていいでしょう。
仙川自体の、必死の水のやりくり
上掲Mapには表示出来ていませんが(こちらの地形図参照)、仙川自体、既に本来の自然の源流は無いに等しく、現在の仙川を流れているのは樋口取水場で取水された1日3000トンの湧水です。言わばこれが実質上の「源流」になります。その水を1.6キロ上流にポンプアップ、野川宿橋で放流しています。つまり「源流」は川の最上部に無く、流れを下ったところになると言う不思議さです。
更に東部下水処理場で高度処理された再生水が追加放流され、合わせて現在の仙川の流れになっています。
谷戸川、谷沢川(等々力渓谷)の「源流」
仙川は世田谷区鎌田で野川に合流、更に野川は二子玉川で多摩川に流れ込む訳ですが、その途中の世田谷区岡本地区、新打越橋脇の取水施設で流れの一部が取水され、ポンプアップされて国分寺崖線を駆け上がり、片方は世田谷区砧公園で放流、上流からの本来の流れと合流して谷戸川の主要な水源となっています。
もう片方は谷沢川(等々力渓谷)、この放流現場は世田谷区用賀二丁目の首都高速橋梁下の田中橋付近。等々力渓谷は周りの崖からの、今は乏しくなった湧水と、この仙川由来の水とで流れが維持されていることになります。
丸子川の摩訶不思議な水のやり繰り
谷戸川は世田谷区岡本地区で丸子川に合流します。
丸子川は元々六郷用水(次大夫堀)の、水神橋から下流部分の流路をそのまま引き継ぐ形で現在に残した、いわば歴史的な遺構と言えますが、勿論現在、六郷用水としての上流からの水の供給は無い。現在の丸子川は、上掲Map或いは紙の地図等を見る限りでは、世田谷区岡本地区の東名高速高架下辺りで、仙川から分水されているかに見えます。
しかし実際は直接仙川から水を得ている訳ではなく(第一、仙川の水面の方がずっと低い)、国分寺崖線沿いの世田谷区立大蔵三丁目公園、或いは岡本公園等の湧水を集める形で流れ、更に上記のように谷戸川の合流を得て流れて行きます。
しかし元々谷戸川の水自体、仙川からの取水・ポンプアップによる放流によるものであり、回りまわって丸子川は谷戸川経由での仙川の水が流れ込んでいることになります。
更に丸子川と谷沢川との関係は一層不可思議です。
丸子川は世田谷区野毛地区で、谷沢川とぶつかり、地図上ではあたかも伏せ越しか掛け樋で谷沢川と交差しているかのように見えます。実際、かっての丸子川-六郷用水は掛け樋で谷沢川と交差、超えていたとのこと。
しかし現在の丸子川はここで大きく方向と傾斜を変え、橋の下で谷沢川と合流して多摩川に流れ込んでいます。ここで一旦丸子川の流れは途切れるのですがその様子は橋の上からは見えにくくなっています。
そして谷沢川を超えた反対側から水が湧き出し、丸子川として引き続き流れているかに見えます。ここで湧き出している水源は、実は谷沢川で取水された水です。つまりこの地点を境に、丸子川の上流と下流では全く水の系統が異なるのです。
………と言っても、この谷沢川の水も又、上記のように仙川から供給されている訳で、その意味では系統が同じ、と言って言えない訳でも有りません。
現代の「清流」を維持するのも、中々大変なことでは有ります。
スタンドアロンの野川
見てきたように現在武蔵野台地上を流れる河川の多くは、殆どその水を地下水の汲み上げや高度処理再生された下水に負っています。上記仙川は勿論、神田川、石神井川、目黒川、渋谷川等例外では有りません。
その中で野川だけは私の見る限り、そう言う人工的な水の補給無しで流れています。言わば自前の水で賄っているのです。
源流は日立中央研究所大池、或は真姿の池などの自然の湧水だし、途中の新次郎池、貫井神社弁天池、滄浪泉園、野川公園自然観察園等からの湧水、そして深大寺周辺からの豊富な湧水。
仙川合流まで、おそらく野川はこれら自然の湧水だけで流れを維持しています。その為も有ってだろう、季節によって水量も増減が見られます。
今となっては貴重な水系だと言えます。
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