烏山川緑道-1(源流部~環八)

 

烏山川上流部

烏山川は目黒川の1支流。上流のごく1部を除き流路全域が暗渠となっていて、環八を境にした下流部はその上が緑道として整備されている。

 

源流?と上流部

烏山川の源流は、世田谷区北烏山の高源院、鴨池だとするのが一応定説となっている、…が実際はそう単純なことではなさそうだ。

飲用・灌漑用として江戸時代に開削された玉川上水からの分水(烏山分水口)路も合流していた。しかしその分水路は今その役割を終えていて一部にその痕跡を留めるのみ。分水口周辺の玉川上水両脇は今、放射5号線道路の工事で、かっての地形を偲ぶことも立ち入ることさえも出来ない。

鴨池の上流にも、かっての烏山川と思しき水路(普段水流は殆どなし、大雨が降ると溢れるほどの水量になるとか)の痕跡が見られるが、これら上流部の水路は大半住宅地の中に埋没する形で一貫した繋がりは確認できない。ところどころ唐突な形で現れる開渠や暗渠道、かって水路だったことを彷彿させる橋げたの跡などで、往時の姿を想像できるのみ。

※  環八までの上流部は複数の水路が絡み合い、その繋がりも明確で無い為、掲載写真も必ずしも順路通りになっていません。行き当たりばったり・出たとこ勝負のところが有ります。
下掲「撮影Map」と照らし合わせ位置関係を確認しながらご覧ください。

 

撮影Map

クリックするとGooglemapと連動して開きます。

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高源院鴨池

一応現在、烏山川の源流とされている。

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玉川上水からの分水

 

最初にかって、玉川上水から分水を得ていた現場を見ることにする。
京王井の頭線久我山駅の約500メートル程南、岩崎橋の少し下流に「北沢分水」取水口跡が残っている。烏山分水口はその数メートル上流に有ったのだそうだが、実はそれを知らなかった。何度か歩いているにも関わらず、その為写真は無い。
今は玉川上水両岸の相当広いエリアで放射5号線(東八道路)の工事が進行中で、その現場に近づくことも難しくなった。
…と言うことで北沢分水の写真を掲載しておきます。

又、かってはこの分水口から烏山川への合流まで、なんとかその痕跡を辿ることも出来たようだが、それもこの工事で難しくなった。

 

岩崎橋(2016/2/11)

周辺は道路工事中。前方、岩崎通信社本社。

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周辺の道路工事の状況(2015/3/22)

計画によれば玉川上水の遊歩道を中央分離帯とし、上水の両側にそれぞれ片側2車線の道路を作る、と言うことらしいから半端な規模じゃない。
下の写真は2015年3月撮影のものだが、現在はこれ以上大規模に周辺が囲い込まれて、立ち入り禁止区域も広がっている。

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かっての岩崎橋(2013/6/13)

この辺の民家も全て立ち退きを食ったのだろう。「ほたるの放流場所」なんて看板が有ったけど、この脇に大きな道路が出来て車がライトを付けながら行き交ったら、蛍はどうなるんだろう。

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北沢分水取水口跡

烏山分水口はこの少し上流に有って、その痕跡も分かるらしいのだが、知らなかった。んで、そのでその写真は無し。

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烏山川最上流部?

おそらくここが、それと分かる形で現在確認できる最上流部。

一つの流れが前方の建物(特養老人ホーム恵比寿園)の下に入り、90度左折して建物の正面(写真左)からでている。おそらく建物の右側(北側)からの流れが有ってここで合流していたのだろう。しかしその北側水路の痕跡は確認できなかった。

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道路工事による整地

上掲写真の直ぐ脇(恵比寿園の東-玉川上水側)。このフェンスも放射第5号線の工事の為なのだろうが、整地されて水路の痕跡は確認できない。

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恵比寿園から出る水路

正面の建物、特養老人ホーム恵比寿園。建物の右側から入り込んでいる水路と、おそらく正面からの水路が建物の下で合流、手前に流れ下っていたのだろう。
建物の向こう側の上流部は視認できなかったし、右からの流れも上記のように工事で確認できなかったので、私としてはここが烏山川の最上流部と言うことになる。

この水路も大雨が降れば溢れるほどの水量になるとか。つまり水路としては暗渠などで繋がり機能しているということなのだろう。

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下流方向

切梁(きりりょう-梯子状のつっかい棒)で支えられた開渠が見える。

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住宅地を縫って通る水路

断続的に姿を表す水路。その繋がりを見つけるのは難しい。
地上に出ていない部分は勿論暗渠として繋がっているのだろうが。

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暗渠にもぐる水路

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高源院 鴨池

途中水路跡を見失う。
歩いているうち、やや唐突に高源院脇の小公園に出る。

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正面、フェンスになっている先が高源院の鴨池

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フェンス越しの鴨池

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高源院正面

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鴨池とその水源

鴨池の水源は「宙水」」と呼ばれる水らしい。
地下1~2メートル程の、関東ローム層の上を流れている地下水で、地下水脈に繋がる本来の地下水と違い、水源は全て雨水とのこと。
確かにこの辺、崖線もなく谷地でもない。こんなところに何故わき水が? と思っていたが、疑問が解けた。

以下はおいらの想像だが、水脈が浅いこの宙水地形とこの辺一帯がかって田んぼだったこと、或いは雨だのみの不安定で少ない水量を補うために烏山分水が必要とされた、ことは関係するのではないか?

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池尻方向

この先から烏山川が流れだしているのだろうか。

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高源院鴨池からの流れ

写真正面奥が高源院。鴨池からの流れ跡だと思われるが、フェンスで立ち入り不可。

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下流方向?

上掲写真の反対側。明らかにかっての水路地形。この地下に烏山川の暗渠が有るのだろう。

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いかにも、暗渠道

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都営烏山アパート

中央高速道を挟んで広大な敷地に都の住宅施設が立ち並ぶ。烏山川を水源とした一面の田んぼを、おそらく昭和の一時期、再開発で住宅エリアとしたのだろう。
水路の痕跡はアパート群に埋没してハッキリしないが、敷地の下を走っているのは、多分間違いない。

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中央高速道

前方に中央高速道が見えてくる。

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烏山分水と高源院鴨池経由の流れ

中央高速道の敷地で、かっての烏山分水の痕跡が姿を現す。
飲用・或いは灌漑用の水量確保の為、江戸時代玉川上水から開削した分水路で、ある資料(月刊 地図中心No503)によるとこの先、烏山分水と、高源院鴨池経由の烏山川が2本、並行する形で流れて行く。実際、散見される水路の痕跡も1本には繋がっていない。
上記資料によると2本の水路は「世田谷文学館」の先で合流する形になっているのだが、飲用・灌漑の用を考えるともっと上流、例えばこの地のどこかで絡んでいたのではないか?

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細い水路跡

住宅脇に細い水路が見える。脇の通路も含め烏山川の跡なのだろうか。

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並行して流れる二つの水路

中央高速道を超えたこの辺も都営の住宅施設が立ち並んでいる。その中を縫って暗渠が続き、橋の痕跡が見える。
水路は2本、並行して流れているようなのだが(撮影Map参照)、取りあえずランダムに掲載。

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橋の痕跡と、駐車場となっている水路跡

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国道20号線(甲州街道)をくぐる烏山川

前方、甲州街道が見えてきた

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甲州街道

烏山川はここで甲州街道を超える。

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甲州街道を超えて

2本の流路

下の案内板でも分かる通り(南北が上下逆の表示になっているので少し分かりづらい)、烏山川は2本が並行して流れ、世田谷文学館の先で合流している。

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東側流路

甲州街道から下流側をみる。中に立ち入ることは出来ない。

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京王線をくぐる

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京王線の下流側

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世田谷文学館

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合流点

2本の流れの合流点を、下流側から見たところ。ここで合流して環八に向かう。

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下流方向

合流点から下流方向を見る。

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西側流路

ハッキリ分かる形で流路は確認できないが、おそらくの流路跡。

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歩道部分が暗渠道だと思われる。

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橋の親柱と水路跡

ここでハッキリした水路の痕跡が現れる。

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京王線の下流側

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緑道風な水路跡

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道路を超えて

この道路を右に100メートル程行くと、世田谷文学館。前方左側の黄色い建物は蘆花中学校。
合流点はもう直ぐ。

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蘆花中学校の脇を通って

前方、合流点

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環状8号線

前方、環八の向こうの建物と白い塔は、水道関係の施設か?

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環八を超えて、上流方向を望む。

混沌とした烏山川上流部は、取りあえずここまで。

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