六郷用水-2(丸子川-次大夫堀公園から谷戸川合流まで)

 

六郷用水-2(丸子川-次大夫堀公園から谷戸川合流まで)

六郷用水(次大夫堀)の、主に世田谷区の部分が丸子川と名前を変えて親水エリア的に整備されている。名前は丸子川だが、六郷用水路には違いない。

 

地形図

クリック、拡大表示でご覧ください。

丸子川地形図-1.gif

 

撮影Map

クリックするととGooglemapと連動して表示されます。

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次大夫堀公園からの、野川への排水路

対岸は次大夫堀公園。
前回はここまで、今回はここから。

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野川下流方向

上掲写真と同じ場所から野川の下流方向を見る。
六郷用水開通当時、目の前の野川は、「野川」としては無く、入間川の流路だったようだ。六郷用水の開削により入間川の下流が六郷用水に取り込まれその流路となっていた。その辺の事情は「昔の野川」、或いはこちらの「流路図」参照のこと。

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六郷用水分岐地点

僅かな間だが痕跡を見失う

流れがカーブしているこの辺で、左側に六郷用水が分岐していた筈。しかしその痕跡は確認できなかった。同時にその先も大規模な道路工事なども有って水路跡を確認できなかった。
六郷用水が分岐した後の(旧入間川)部分を、「野川」としていたらしい。

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東名高速道路を超えて

ハッキリした痕跡ではないが、東名を超えた地点に、なんとなく旧水路跡を偲ばせる小公園。

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水路跡?

道路を挟んで、如何にも水路跡(暗渠)と思われる通りが有る。

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次大夫堀の碑

上掲写真の通路を抜けたところにある、次大夫堀の碑。
これでハッキリ六郷用水の水路跡が確認できた。

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案内板

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かっての流路図

上掲案内板の下側に記されていた流路図。見やすいように実物大で掲載しておきました。横に長いのでスクロールしながらご覧ください。図の右側が上流になる。
貴重なデータだと思う。

六郷用水流路図.gif

 

六郷用水旧水路脇の永安寺

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護岸を偲ばせる石組み

この石組が、元々の六郷用水時代のものか、後世、設置されたものか分からないが、いずれにしてもここを六郷用水が流れていた。

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石組みは無くなるが、旧六郷用水路は続く。

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仙川

前方、仙川にぶつかる。かって、仙川の下流も六郷用水に取り込まれていた。
橋は水神橋。近くに氷川神社が有るが、その近くに「水神」も有ったらしい。

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かって、仙川もここで六郷用水に取り込まれて、この先の下流部分は無かったようだ(上掲流路図参照)。

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丸子川スタート

水神橋脇から、整備された丸子川がスタートする。

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現在の丸子川の源流

元々丸子川=六郷用水の源流は、狛江市和泉で取水された多摩川の水である訳だが、今まで見てきたようにその流れは途切れている。現在 丸子川の源流と呼べる場所が水神橋(旧六郷用水路)から2Km程上流、大蔵三丁目公園に見て取れる。地形的に見ておそらくこの辺が現在の丸子川の源流だろう。

大蔵三丁目公園の湧水

左側に国分寺崖線が続く。崖線の上は大蔵運動公園。

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かっては豊富な水が流れていたと思われる水路跡だが、既にこの辺は水が枯れている。

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ハケの水を集めての池

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写真中央、崖線からのハケの湧水

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崖線に沿って水路が続く

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水路は一旦暗渠となり、ここから姿を現す

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国分寺崖線に沿って、水路が続く。

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ここで水の一部が、仙川に流される(写真中央の四角な枡)

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仙川への放流口

しかしこんな僅かな水を、わざわざここで分水して仙川に落とす意味が有るのだろうか?

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ここで暗渠となる

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仙川

仙川にぶつかる形になるが、仙川に排水される訳ではなく、仙川沿いに暗渠のまま流れてゆく。

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仙川の脇を暗渠で流れるハケの水

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東名高速道をくぐる

暗渠はおそらく中央のブッシュの下を通っていると思われる。

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東名高速を超えたところで、水路を確認。コンクリートの蓋の隙間から水の流れが見える。

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打越取水場施設

仙川脇の施設。ここから仙川の水を導水管によって、砧公園で谷戸川に、および矢沢川上流に助水している。
打越取水場についての説明はこちら

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取水場施設脇に有る案内板

ここからの、谷戸川、矢沢川への助水経路が表示してある。

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上総層群

この辺、仙川の川底に上総層群の地層が見える。
上総層群とは大昔海の底で堆積・圧縮されて堅く平坦な地層となり、その後海面低下などにより地上に現れたもので関東平野全体の基盤となっている。厚さは1000㍍を超えるとされ、高層ビル建築の際にはこの層に杭を打ち支持層としている。
東京低地ではこの上総層の上に火山灰由来の関東ローム層が堆積、山の手台地では上総層の上に古多摩川からの扇状地礫層が重なり、更に関東ローム層が堆積していて、普通は直接見ることは無い。

神田川の下流部と多摩川中流域(昭島宿河原)、でも見ることが出来る。

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西谷戸橋、水神橋

大蔵三丁目公園からの流れは西谷戸橋から開渠となり、次の水神橋から旧六郷用水を引き継ぐ形で丸子川がスタートする。

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激坂

西谷戸橋から国分寺崖線方向に見える激坂。おそらく「坂マニア」のあいだではそこそこ有名な坂のようだ。
自転車による登攀挑戦はこちら

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丸子川スタート

かってこの水神橋の位置で、右から流れて来た六郷用水は、仙川を合流、そのまま左前方に流れていた。
現在はこの先の流路を、整備された流れが丸子川と名を変え、再現されている。

但しこの先の丸子川は、川筋は六郷用水を引き継いでいるが流れている水は別物。かっての六郷用水の水の流れは、こちらを最後として終わっていると思われる。
現在の丸子川は上で述べたように、大蔵三丁目公園など、国分寺崖線からのハケの湧水を集めて流れ、途中で谷戸川を合流する。打越取水場のところで述べたように、そもそも谷戸川も仙川から助水を受けているので、いわば丸子川も仙川から助水を受けていると言える。

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水神橋脇から、仙川と離れる形で丸子川が始まる

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丸子川親水公園

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岡本公園

岡本公園脇を流れる丸子川。
岡本公園については、こちら

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川幅

川幅は結構広い。
開削当時の堀幅が、本流で3.6m、南堀2.4m、北堀2.1mで、後に本流93センチ、南堀本流87センチ、北堀本流57センチ、それぞれ拡幅したとあるから、当時の六郷用水の川幅に近い。かっての姿を引き継いでいると思われる。

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国分寺崖線

左側は国分寺崖線のハケの森。大田区の「南北引き分け」まで一貫して崖線に沿って流れている。

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崖線からのハケの水

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谷戸川合流

下流に向かって左側(写真では右側)から、谷戸川が合流してくる。

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谷戸川上流方向

奥の橋は静嘉堂への通路に架かる紅葉橋

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谷戸川に沿っての道路が、八の橋で谷戸川と分かれ、この下山橋にでる。

写真右端奥に、小坂別邸のハケ下側の門が見える。

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二子玉川方向に向かう丸子川

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今回、ここまで。

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