多摩湖自転車道-1(多摩湖から八坂)

 

東京で最長の、直線(水道)道路

 

多摩湖自転車道と羽村山口軽便鉄道跡

村山貯水池(多摩湖)から境浄水場に続く直線道路

実はこの「多摩湖自転車道」を見つけたのは偶然だったし、つい最近のこと。
石神井川を上流から河口まで通して歩いてみようと思い、3月11日、小金井公園脇の「上流端」から歩き始めたのだが、小金井公園を外れたところで不思議な景色にぶつかった。それが下の写真。
川の土手のようでもあるが土手なら川をはさんで両側に続いている筈。ところが川も無いし平場に500メートル程の土手が1本だけ。そこに石神井川が交差、下をトンネルで抜けている。

後で調べたらこれは「馬の背」と通称されている造形で、村山貯水池(多摩湖)から境浄水場への導水路(水道道路)の一部で有るらしい。この場所は石神井川の谷筋になっており、おそらく谷を挟んだ両側との勾配維持の為に築かれた土盛りなんだろう。この土手の中に導水管が埋設されている訳だ。
しかもこの馬の背を含む導水路全体は見事なほど直線で、その上が自転車道・遊歩道になっていることが分かった。この直線区間は村山貯水池から境浄水場迄ほぼ10キロメートル、直線道路としては東京でも最長区間らしい。

 

入りと出の2本の水道道路

一般に水道道路と呼ばれるモノは真っ直ぐで平坦な造りが多い(甲州街道脇の水道道路羽村山口軽便鉄道跡)。
特に、羽村山口軽便鉄道跡は羽村堰で取水した多摩川の水を、村山貯水池に送る導水管が伏せてあり、その上が「奇跡の1本道」とも言うべき真っ直ぐな遊歩道として住宅街や工場敷地を貫いている。
今回の多摩湖自転車道は逆に、村山貯水池から境浄水場に送る導水管を伏せた直線コースになっている。貯水池を挟んで入りと出の直線道路がペアとなっている訳だ。
羽村山口軽便鉄道跡の直線部分は約6キロ(横田基地横断の、約1.5キロを含んで)に対し、多摩湖自転車道は約10キロメートル。雰囲気として私は前者に1票だが、直線の長さとしては正真正銘東京で1番だろう。
※ なお「多摩湖自転車道」は、この直線コース約10キロと村山貯水池(多摩湖)周遊の約10キロ、合わせて20キロを言うが、私の関心は「水道道路」としての導水管埋設の直線部分。

 

井の頭通りの由来

なお今回調べた過程で、井の頭通りが元々は境浄水場から和田堀給水所を繋ぐ導水路だったことを知った。補強され上が車両通行可能な、今や幹線道路としての井の頭通りとなったのは交通量が増えた後のこと。当初はやはり「水道道路」と呼ばれていたらしい。
そう言われてみれば確かに井の頭通りも真っすぐで平坦だし、甲州街道、京王線を超えたところで和田堀給水所に正面からぶつかり、給水所を迂回している。この不自然なコース取りも今回初めて理解できた。
多摩湖自転車道と井の頭通りは境浄水場脇の関前5丁目交差点で、引き継ぐような形で繋がっている。

 

馬の背

多摩湖自転車道を知るきっかけとなった馬の背の景観。
下を石神井川が通っている。

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撮影Map

クリックするとGooglemapと連動して表示されます。 (2018年、突然Googlemapでの表示が不調となり、解決の方法も有りません。しかしmap上の位置関係は判別できますので、引き続きそのまま表示します)。

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多摩湖と村山下ダム

多摩湖自転車道直線部分の10キロメートルには含まれないが、そレに続く村山下ダムから。なおこの部分も多摩湖自転車道周遊コースの1部分となっている。

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写真左側には西武園ゆうえんちが広がる。

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村山下ダム

右側に村山貯水池(多摩湖)。ダムは1916年から1927年まで10年の歳月を掛けて行われたが、この貯水池とダム建設に当たり、資材運搬と導水管工事の為敷設されたのが羽村山口軽便鉄道
ダム堤体は太平洋戦争中に爆撃対策としてコンクリートで強化、2003年(平成15年)からは耐震補強工事が実施され、2009年(平成21年)3月に完成している。

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富士山遠望

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歩行者優先だが、多摩湖自転車道周遊コースの一部。
第1取水塔が見える。

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都立狭山公園

  ダムの下に広がっている。

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2本の取水塔

手前が第一取水塔、右奥が第二取水塔(多分)。日本で一番美しい取水塔とも言われているらしい。
ここで取水された水が境浄水場に送られ和田堀給水所を経て都内に給水される。その境浄水場までの区間が多摩湖自転車道直線コース。境浄水場から和田堀給水所までが井の頭通りとなる訳だ。

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余水吐き(十二段の滝)

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余水吐き説明版

クリック、拡大表示でご覧下さい。

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ダム堰堤を抜けて、反対側から見たところ。

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多摩湖自転車道直線コース

多摩湖を抜けて暫く行くと、直線コースが始まる。

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直線コースの起点?

「ここから多摩湖自転車道直線コース」と言う明示的な案内は見落としたが、おそらくこの辺から始まるのだろう。
なお、コースには1キロメートルごとに里程標が有るのだが、起点は境浄水場近くの下流側から始まっているので、ここは「終点」と呼ぶべきかも知れない。

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東村山浄水場

多摩湖自転車道と空堀川が交差する脇に広がる東村山浄水場。

1965(昭和40)年、かっての淀橋浄水場(現在、新宿高層ビル街となっている)廃止後、その機能を受け継いだ。
フェンスなどにより全体像の撮影は出来なかった。

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空堀川脇の東村山浄水場

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空堀川

新青梅街道下を通る多摩湖自転車道。その手前の空堀川。

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一直線

西武多摩湖線が並行して右側に通っている。

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右側、西武多摩湖線の外側に、村山中央公園が広がっている。

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西武多摩湖線(右側土手)と西武国分寺線(正面踏切)

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今回ここまで

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