青柳断層-矢川とママ下湧水

矢川

矢川源流？

矢川緑地からみのわ通りを挟んで上流側、暗渠から開渠として矢川が顔を出す。この更に上流に開渠としての矢川が有るかどうか分からないが、一応ここを矢川の「源流」としておこう。
写真左側に、矢川弁財天がある。

みのわ通りをくぐる矢川

前方、みのわ通り。右側に矢川弁財天。

矢川弁財天

みのわ通り脇に建つ矢川弁財天。弁財天（弁天）は財宝神としての性格とともに、水に関連した神でもあるようで、湧水の場所に建つお宮は殆ど「弁財天」。
境内にも池が有る。かっては豊富な湧水が流れ込んでいたのだろうが、現在はポンプで循環させているようだ。

矢川

清流と雑木林－矢川緑地

みのわ通りから見る矢川緑地

みのわ通りをくぐって来た矢川

このみのわ通り自体、JR立川駅北側から南に下って多摩川に注ぐ人工河川「緑川」の暗渠で、矢川とはここで立体交差しているのだそうだ。
緑川を暗渠に持つこのみのわ通りの行き着く先が、こちらの「緑川排水樋管」となる。

矢川下流方向

みのわ通りを抜けた矢川は、左側の立川崖線に沿う形で暫く流れる。右側に矢川緑地が広がる。

崖から注ぎ込む水

所どころに崖下から湧き出ている水が見られる。
この崖の上は民家。しかしこの水は家庭からの雑排水ではない筈。立川崖線からの湧水だろう。水も澄み切っている。

崖線と矢川と緑地

豊かな水と湿地、沼、自然な植生。小魚やカモも多い

緑地出口（入り口）

矢川はこの先、街の中を流れる

北側から合流する、もう一本の流れ

緑地を出て街中へ

清流と緑道風小道

正に清流

矢川緑地の湧水は、東京名湧水57選に選ばれているのだそうで、東京でも屈指の清流らしい。実際水は澄み切っている。量も豊富。
常にこれだけの水が、崖線から供給されている訳だ。

親水公園風

矢川はフェンスで囲まれている訳ではなく、水遊びをしたり野菜を洗ったり、生活に溶け込んでいる。

左、国立市立第六小学校脇

ここで矢川は道路をくぐって左に曲がり、小学校の敷地に沿って流れる。

ここも親水エリア

左側、第六小学校。
前方、青い小さな籠が水につけて有る。中にはホタルの餌となるカワニナが入っていた。

道路をくぐって右折

僅かの間、迂回する。

緑道風に整備された道

プライベートブリッジと、野菜洗い場

水質保全の為、野菜以外は洗わないことと、看板が有った。逆に言えば野菜などは自由に洗っていいと言うことだ。

都道256号をくぐる矢川

256号から先、滝野川学園迄の間100メートルあまり、川に沿って歩けない。迂回して左側の道を滝野川学園正面迄。

青柳断層

この辺から滝野川学園の南側に掛けて、青柳段丘が西側から南東に横たわっている。
この青柳段丘にほぼ直行する形で、段丘を浸食して矢川が流れ落ちるので、道路を超えた辺りから矢川が深くなる。下の写真は256号から見た矢川下流方向。

滝野川学園

滝乃川学園は日本最初の知的障害児者の社会福祉施設なんだそうだ。1891年に創設、1928年にこの地に移転。本館は国の登録文化財となっていると言う。
正門前に矢川に関しての碑も建っていた。
矢川は写真の右側を流れている。

下流方向

滝乃川学園前の道路に掛かる橋から下流方向。青柳断層を削りながら掛け下っているのが見てとれる。

滝野川学園敷地を通って

実は矢川を辿るにはこの門を入り、滝野川学園の敷地内を歩くのが一番で、驚いたことにオープンに出入り出来る。途中で出会った地元の人も「自由に歩いていいんだよ」と言っていた。矢川は写真右側を流れている。

滝野川学園敷地を流れる矢川

青柳断層を抜けて

滝野川学園を抜け、青柳段丘を下り終えると矢川はこの先の府中用水支流と合流して、矢川としては終わりとなる。この合流地点は「矢川おんだし」と呼ばれるのだそうだ。
2本流れているうち、写真左側が矢川、右側は青柳段丘に沿って段丘下の湧水を集めて流れて来た清水川。突き当りが府中用水。3本の流れはそれぞれ水温が違い、そこに棲む多様な水生生物が見られると言う。

左の温室は滝野川学園の施設のようだ。

矢川おん出し

府中用水側から見た矢川おん出し。
写真右側の水路が、奥の林の中、青柳断層を掛け下っていた矢川。左側の水路が、突き当りの青柳断層沿いに左側からママ下湧水（下、参照）を集めて流れて来た清水川。手前が府中用水で左から右に流れている。
三本の流れはそれぞれに水温と水質が違い、一番水温が低いのは清水川、次に同じ湧水だが暫く街中を流れて来た矢川。多摩川から引かれた府中用水が一番水温が高い。
三つの流れが合流する矢川おん出しには多様な水生生物が見られると言う。

府中用水合流

府中用水上流側から見た矢川おん出し。

ママ下湧水

ママ下湧水と清水川

上の写真の左側に、青柳断層に沿う形で湧水の流れが有る。断層のことを「ハケ」或いは「ママ」と呼ぶことが有って、ここはママ下湧水として知られる。

ママ下湧水から上流方向は立ち入れないようだ。

青柳断層に上がる階段

ママ下湧水の直ぐ脇にこの階段が有る。断層の上は青柳面。下は多摩川に続く沖積面。

断層上から

まま下湧水からの流れが、左側の青柳断層に沿って流れて行く。

国道20号線に隣接する小公園

湧水の流れは20号をくぐって進む

さすがの清流

矢川おん出しに

ここで右に向きを変え、矢川と並行して流れ、府中用水に注ぐ。