渋谷川-5(宇田川源流部、狼谷から)
渋谷川第一の支流、宇田川を辿る
宇田川源流部の一つ、狼谷の湧水
渋谷区西原2丁目付近に狼谷(大上谷)と呼ばれる深い窪地が有る。ここにはJICA(ジャイカー国際協力機構)とNITE(製品評価技術基盤機構)と言う大きな建物が並び、回りを鬱蒼とした木立が囲んでいる。その隣には東京消防庁消防学校の建物や寮が有り、野球場などを含む代々木大山公園や代々幡斎場もこの谷に隣接している。
実はこの狼谷の窪地が宇田川の主要な源流部になっている。かって西原から初台に掛けてのこの辺を「宇陀野」と呼んでいたことから、宇田川の名前になったとか。
狼谷を含めこの近辺には窪地・谷地が密集していて、代々木九十九谷と呼ばれていたそうだ。
実はこのJICAやNITEは、自宅から歩いても10分程の距離だ。
前から深い谷になっていることは知っていたが、自宅の直ぐ近くが宇田川の「由緒正しい」源流部であることを今回初めて知った。
なおこの狼谷の窪地一帯、大正時代には森永製菓創業者の屋敷で有ったという。又現在、所有者は代わっているがかって森永の邸宅だった住居が西原にある。
地形図
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撮影Map
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代々木九十九谷
大山公園脇のアップダウン
代々木上原駅北口(大山口)から出て、西原3丁目の変則的四つ角を、大山公園方向に左折、結構急なこう配の道を登った坂の上です。右側が大山公園。この先、又谷に下り、更にその先登り道が続く。
この辺一帯、西原、上原、代々木に掛けて九十九谷とも言われていた訳だ。
谷底の道
上の写真で大山公園から谷を下りきった地点。谷底を通る形で小路が付いていた。この小路を進んでみる。
写真右側は大山公園、左側が消防学校、正面はJICAの建物。
正面JICA、右側代々木大山公園野球場
この場所が谷筋に当たっている為、野球場はかさ上げされている。
消防学校敷地の、おそらく湧水跡
消防学校の敷地に、親水施設風なものが有った。水は見られない。
全く水気の無い所にわざわざ水を引いてこんな施設を作るとは思われないので、かってはここに湧水が有ったのだろう。森永製菓創業者邸宅の名残か?
JICA敷地の裏庭
宇田川の源流はJICA敷地の湧水池だそうだ。今でも結構な量の湧水が有るとか。
しかしJICA(国際協力機構)はその性格上警備が厳しく、受付に申し出ても敷地内に立ち入る許可は出ない。受付ロビーからの裏庭の撮影許可を貰ったので窓ガラス越しの写真である。
写真ではハッキリしないが、庭の奥に湧水池が有る。
※ 湧水地は隣のNITE(製品評価技術基盤機構)敷地から、フェンス越しに撮影することが出来た。
NITE(製品評価技術基盤機構)
JICAに隣接しているNITE(製品評価技術基盤機構)正面入り口。入り口は丘の上だがNITEの建物は谷底になる。
宇田川源流部
NITE受付で許可を貰って敷地内の撮影が出来た。
谷底、真ん中に見える池がおそらくJICA敷地内の湧水池だろう。つまりここが宇田川の源流になる訳だ。
こちらはNITE敷地内の池
奥でJICAの池と繋がっている。
NITE敷地内を流れる湧水
水もそこそこキレイなので、今でも或る程度の湧水量が有ると思われる。
地上部、ここで終わり
ここで暗渠となって地下に潜る。
写真右は大山公園の野球場。この高さが逆に谷の深さと言うことだ。
大山公園脇を暗渠で流れる
こちらはJICAやNITEの敷地外
NITEで地下に潜った水が何処から出ているか、ハッキリはしないが、位置的にはこの辺だろう。ここから水は道路の下を暗渠として流れて行くことになる。
代々幡斎場脇の小路
上の写真の場所から直ぐに、代々幡斎場に沿って、如何にも暗渠の道と言った小路が付いている。只この道は登り勾配になっていてNITEからの暗渠の延長とは考えにくい。暗渠が通ってはいるのだろうが、おそらく流れる方向は逆で、上の写真の辺りでNITEからの流れと合流しているのではないか。
代々幡斎場は江戸時代からこの地に有ったのだそうだ。同じ名前で呼ばれていたかどうかは分からないが。
おそらくの、宇田川暗渠
代々幡斎場脇の小路から一本脇の道路。
勾配からしてこちらが宇田川の暗渠道だと思われる。
代々木上原駅に繋がる住宅街の道
上の写真の道の延長。代々木上原駅に向かうこの道が、かっての宇田川の流れの跡だと言う。当時は小川の流れる牧歌的な風景だったのだろう。現在はこの道の下を暗渠で流れている。
実はこの道、自宅のすぐ前の道で、これが宇田川の跡だとは今回初めて知った。
正面、代々木上原駅
駅の手前で道、それと共に暗渠も左に曲がり、駅前に出る。
西原児童公園
代々木上原駅前にあるホンの小さな公園。宇田川暗渠はここで曲がって公園の下をくぐって流れる。
公園から出る暗渠道
児童公園から二、三段の階段を下りて暗渠道に出る。
なお流路図を見ると、この辺で代々木上原駅南側の、これも結構深い上原谷からの流れが合流している。今回は確認していないがいずれ機会が有ったら。
代々木上原駅から代々木八幡駅に掛けての宇田川流域一帯は、かって「底抜け田んぼ」と呼ばれる低湿地だったとのこと。
駅前通りと並行して
駅前の通りから1本離れ、細い道が続く。何気なく通っていた道だが、今はこう言う蛇行した道を見ると直観的に昔の川筋を連想する。
行きつけのスーパー脇を通って
写真左側の建物が、行きつけのスーパー。こう言う「由緒ある」道だとは今まで分からなかった。
駅前道路と合流
暗渠道は駅前通りと合流する。但し暗渠はその少し手前で左に曲がっているようだ。
左に曲がって、おそらくこの道が暗渠道
付き辺りで右に曲がり、暗渠道は続く。
しかし若しかしてこの道も西原支流の暗渠道で、その合流点なのかも知れない
駅前からの道路と並行して
写真右側、建物を挟んで駅前からの道路が並行して通っている。
駅前道路と交差、小田急線路をくぐって
駅前からの大通りを超えて暗渠道は小田急の線路にぶつかる。
線路にぶつかり、道はここで行き止まり。
暗渠を通って来た宇田川の流れはこの線路下をくぐっている筈。
跨線橋を渡って線路の反対側に出る。
小田急線路反対側
ホンの小さな公園が有る。跨線橋との位置関係から、宇田川の暗渠は線路をくぐってこの辺から出ている筈。
小田急線路脇を通る暗渠道
道路の下か或いは歩道の下か、いずれにしても線路に沿って暗渠が通っている筈。
山手通りの陸橋と代々木八幡駅
道路は代々木八幡駅に繋がっているが、暗渠はこの少し手前で右折する。
上原水道通り
写真左側が、上掲代々木八幡駅に繋がる道。
街灯の標識に「上原水道通り」の表示が有った。分かりやすいように部分的に拡大表示しておいた。
宇田川はこの街灯の先で左に曲がり、山手通り陸橋の下をくぐって続く。
富ヶ谷支流?の流れ
上の写真奥にも、カーブを描いて如何にも暗渠と思われる道が下の写真のように続いているが、逆勾配なので奥からの流れ、おそらく富ヶ谷支流だと思われるが、ここで合流、山手通り陸橋下の宇田川暗渠に流れ込んでいるのではないだろうか。この道1本通しての「水道道路」なのだろう。
山手通り陸橋をくぐる、上原水道通り
春の小川
陸橋トンネル出口に「春の小川」のペイント。春の小川は宇田川の支流、河骨川を歌ったものだが、まあ本流も支流も同じようなものか。
しかしこれで益々この道が、かっての宇田川跡だという確信となる。
代々木八幡駅前の大通りと並行して
写真左側、建物を挟んで代々木八幡駅前の大通り。
左に曲がる宇田川
写真奥、二つの建物の間を左に曲がり、この先で駅前通りと交差する。
宇田川遊歩道に続く
駅前通りと交差、遊歩道として整備されている宇田川暗渠道に繋がる。
河骨川合流
写真左側路地が河骨川の暗渠。ここで合流する。
宇田川遊歩道
写真正面、井の頭通りを超えて宇田川は渋谷の街中を通って行く。
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