野川-1(野川源流、日立中央研究所大池)
野川
野川は国分寺東恋ヶ窪の日立中央研究所大池に源を発し、同国分寺市の元町用水(真姿の池湧水群、国分寺境内の湧水など)と合流、その後国分寺崖線に沿って東南に流れ、小金井市、三鷹市、調布市を通り、狛江市東野川で入間川を、世田谷区鎌田で仙川を合流して、二子玉川で多摩川に合流する、延長20.23㎞、流域面積69.6平方キロメートルの一級河川。多摩川、荒川などを除き、武蔵野台地では石神井川と並んで一番の大河と言っていいだろう。
又、野川で特筆すべき点と言えるのは全て自前の、沿線流域での湧水だけで流れを維持し、、他の台地上の河川のように「再生水」の調達によって流れを維持していない、と言うことである。目黒川、呑川、渋谷川などは殆ど再生水だけの流れだし、玉川上水も野火止用水も小平監視所から下流は事情が同じ。
なお、その他の水のやりくりについては、「現代のミステリー、川の流れの相関関係」参照。
その中で野川は、仙川合流までは兎も角国分寺崖線からの湧水だけで流れを維持している訳で、今時としては立派と言えるだろう。その分季節による水量の増減は致し方ない。
国分寺崖線と日立中央研究所大池
谷地型湧水
中央線国分寺駅の北に広がる広大な日立中央研究所。敷地の一角に崖線からの湧水を集めての大池がある。この大池が野川の源流となる。
普段は研究所内立ち入り禁止だが、ここの庭園が年に2回、春と秋に一般に公開される。春は桜、秋は紅葉の名所となっているらしい。
今回(2016年11月13日)は3回目の訪問、掲載写真も今回撮影が主だが、一部過去のものもある。特に大池の池尻の部分、JR中央本線をくぐって野川に繋がる現場は、近年立ち入り禁止になっていて、今となっては貴重な写真となっている。
花や紅葉も楽しみではあるが、私の一番の狙いは「野川源流」の湧水と大池、それを生み出すハケの風景。
公開されるのは敷地全体からすれば一部、敷地南側の庭園部分。
下の地形図を見ると分かるのだが、敷地の特に南側が、国分寺崖線から切れ込んだ谷地状になっている。それも結構顕著な崖。こう言う所に湧水が無くて何処に有る、と言う程の典型的な湧水地形。
今回も、他の野川沿線と比べても豊富な湧水を見ることが出来た。武蔵野が今のように開発される前は多分相当大量な水が湧き出していたんだろうな。
野川源流
この大池の水が中心的な源流として、敷地南側の道路やJR中央線をくぐって野川として姿を現し、下図に示された元町用水、殿ヶ谷戸庭園、東京経済大学新次郎池、貫井神社、滄浪庭園など、ハケ下湧水群の水を集めて国分寺崖線に沿って流れる。途中、野川公園、深大寺などの湧水も野川の水源となる。
国分寺崖線と野川源流-地形図
クリック、拡大表示でご覧下さい。
撮影データMap
クリックするとGooglemapと連動して表示されます。 (2018年、突然Googlemapでの表示が不調となり、解決の方法も有りません。しかしmap上の位置関係は判別できますので、引き続きそのまま表示します)。
日立中央研究所大池大池
正門
今回は特に受け付けもなかった。前回はただ人数の数字を書くだけの簡単な受付で入園
返仁橋の下
正門をくぐると直ぐに深い谷を渡る。架かる橋は返仁橋。
谷の底は藪で見えないが水が流れている。水は大池に注ぐ。
研究所正面
大池には手前の道を左に行き、台地を降りる。
模擬店やらなにやら
2015年の今回は朝方雨が降っていて、前回(2013年)に行ったときに比べ少し人出が少ない感じ。
芝生広場には色々な模擬店が並び、芝生は家族連れやカップルの休憩場所となる。残念ながらアルコール類持ち込み禁止なので、私にとっての休憩所とはならなかった。
ハケ下へ
大池までは相当な高低差が有る
ハケ下湧水地
大池の周囲に何ヶ所か湧水地がある
湧水地から大池へ
大池
正面奥の水の流れ込みは、返仁橋下の谷からの流れか
大池への流れ込み
大池の眺め
大池周囲の遊歩道
大池の外側の遊歩道を通って、1周できる。
野川へ
大池の俳水口
ここから中央本線の下をくぐって、水は野川へ
2013年開放時の写真。その後ロープを張って、ここまでの立ち入りは許可されなくなったようだ。
大池から野川へ
JR中央本線をくぐって、こちらに出る。
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