多摩川を辿る-3(沼部から二子玉川)

 

「武蔵野」との係わりを感じつつ、多摩川を遡る

多摩川を河口から辿ること、今回で3回目だが、武蔵野の地形や風情に興味を持ち始めた私としては、今までの2回は正直単調で、だだっ広い多摩川沿いをただひたすら歩くだけと言う感じだった。
唯一気分をそそられたのが六郷水門と六郷ポンプ所で、丸子川部分は昨年歩き通したが、それ以外の六郷用水跡も2016年通して歩いてみた。

今回の沼部からのコースは今までの単調さと違って、昨年一年間、実際に何度も歩いて来た武蔵野の幾つかの川や用水が、終焉として多摩川に注ぎ込む、その姿が見えて興味深かった。
丸子川(六郷用水)にしても谷沢川(等々力渓谷)にしても、野川や仙川にしても、今までは武蔵野の台地側から国分寺崖線などとの係わりと共に、最期、多摩川に流れ込んで姿を消す様子を見て来たのだが、今回は逆にそれらの流れを受け入れている多摩川の側からの眺めになった訳で、正直全く印象が違った。武蔵野と多摩川との今までとは違った係わりがこれからも見られそうだ。

 

    

 

 

横須賀線(手前)と、東海道新幹線

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中原街道に掛る丸子橋

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丸子橋から下流方向

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丸子橋から右岸上流、東急東横線

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国分寺崖線の終端

丸子橋は国分寺崖線の終端部に当たる(終端はこの少し下流、嶺町付近と言われている)。
下の写真でも分かる通り、崖が右(東)から押し寄せ、その先端は亀甲山と呼ばれる舌状台地となっている。多摩川の河川敷は殆ど無くなり、土手の道も多摩堤通に合流、多摩川との狭いスペースを通ることとなる。

 

 

丸子橋から左岸上流

中央に多摩川浅間神社が遠望できる。手前水門は調布排水樋管
この少し上流側に、丸子川が多摩川へ放流・排水される水門がある。

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地形図

カシミール3Dで作製した、浅間神社、亀甲山周辺の地形図を表示します。国分寺崖線と多摩川に挟まれた狭いスペースを理解できるだろう。
クリック、拡大表示でご覧下さい。

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多摩堤通と国分寺崖線

丸子橋手前辺りから、河川敷が狭くなって歩けない。土手上の多摩堤通に上がる。写真は多摩堤通から直ぐ立ち上がっている亀甲山への石段。更にその上が有るし、写真の背後は直ぐ多摩川に落ち込んでいる。
亀甲山と多摩川の高低差は30メートル以上にも及ぶ。

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亀甲山からの多摩川

亀甲山(国分寺崖線)から多摩川に、急速に落ち込んでいる。両者の高低差と、その間の狭さを実感出来ると思う。

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多摩川浅間神社

浅間神社(せんげんじんじゃ)創建は鎌倉時代の文治年間(1185年~1190年)と伝えられ、本殿の建築様式は浅間造で東京都内では唯一だとか。
国分寺崖線の一部である亀甲山が、沖積面(下町低地)に落ち込む東南側の突端に建っている。
 

亀甲山と古代遺跡

亀甲山は現在多摩川台公園として整備されて、格好の多摩川展望台にもなっている。なおこの台地状には10程の古墳が帯状に並んでいる。浅間神社社殿も浅間神社古墳の上に建てられている。

おそらく舌状台地の下には豊富な湧水が有って、昔から人が住み着き、一定の文化を築いていたのだろう(ポンプ等が無かった当時、多摩川本流の水を直接利用することは出来なかった筈だが)。東急東横線の谷を挟んで反対側の田園調布せせらぎ公園も、国分寺崖線に繋がる崖に沿っているのだが、その名が示す通り今でも何ヵ所かの湧水が見られる。
亀甲山の上は当然水の便は悪かった筈で、人が住むには不便だったろうが、墳墓の場所としては格好の地だったのだろう。
※ 亀甲山上(多摩川台公園)に、チョッとした水辺が有るが、自然水?、ポンプアップ?

 

多摩川治水記念碑と整地記念碑

浅間神社階段下に立派な石碑が二つ建っている。
多摩川治水記念碑は、大田区のホームページによると「昭和11年(1936年)、多摩川の治水工事の竣工を記念して建てられたものです。工事は、大正7年(1918年)羽田の河口部から開始し、昭和9年(1934年)世田谷区までの間が完成しました」とある。
整地記念碑は、鎌倉時代の創建と言う記述も目にする。どう言う整地事業だったのだろうか。

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浅間神社本殿

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本殿脇の桟敷風展望台

多摩川と東急東横線

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調布取水場と取水堰

多摩堤通に建つ調布取水所

写真左から亀甲山が迫り、右は直ぐ多摩川に落ち込んでいる。この狭いスペースに多摩堤通と丸子川(左側)が通る。取水所のスペースもギリギリ。

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丸子川終焉

これは多摩堤通り沿いに上流側からの丸子橋風景だが、中央側溝は丸子川。正面のフェンス手前から右にコースを変え、道路をくぐって上掲水門から多摩川に排水される。
左側建物の上に浅間神社本社が建っている。
この区間の丸子川(六郷用水・次大夫堀)については、こちら

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多摩川から見た取水所

亀甲山と多摩川に挟まれ、この辺幅が狭く高低差も顕著

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取水堰

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暫く河川敷も狭い区間を歩く

右上、青色フェンスが多摩堤通り、その脇に丸子川側溝、そこから直ぐ亀甲山が立ちあがっている。

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多摩川緑地広場に出る

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等々力排水樋管

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排水口

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谷沢川・丸子川放流水門

世田谷野毛地区で谷沢川(等々力渓谷)と丸子川が合流し、この水門から多摩川に放流される。

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今日は放流水は見た目、きれいだった。

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下野毛排水樋管

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第三京浜に掛る橋

橋下を通して二子玉川駅遠望

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タワーマンション

タワーウエスト、タワーセントラル、タワーイーストが建っている。下は多摩堤通りのトンネルになっている。トンネルの上は公園風。
この辺から工事中で、河川敷内通行困難

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タワーマンション下の公園風高台からの眺め

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二子玉川駅

通っている線路は東急田園都市線。

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野川合流

二子玉川は野川が多摩川に合流する地点。手前が野川、右側に多摩川が流れている。東急田園都市線の下流で合流。

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野川に掛る兵庫橋

兵庫橋を渡ったところが兵庫島公園。この右側、上流方向に広い二子玉川緑地が広がる。
二子玉川は世田谷区だが、兵庫島公園の直ぐ脇が「渋谷区二子玉川区民運動施設野球場」となっていて、チョッと驚いた。

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今日はここまで

 

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