野川-2(日立中央研究所大池から元町用水合流まで)

 

中央本線をくぐり、住宅街を縫って

日立中央研究所大池に源を発した野川は、すぐ脇の中央本線の下をくぐって国分寺市泉町の住宅街に出る。
ただこのエリアは野川に沿っての土手道や遊歩道が無く地上から野川を辿れない。しょうがないので野川の中に降りて辿ることにした。

季節によって違う水量

野川沿線は何回か歩いていて、前回この近辺(野川とその水源)を歩いたのは主に3月だった。今回は8月末。水量の違いに驚いた。今回の方が圧倒的に多い。
例えば野川の源流の一つ、東京経済大学新次郎池からの湧水にしても、滄浪泉園からの湧水にしても、前回は全く水が見られなかったのに今回は滔々と流れて野川に注ぎ込んでいた。当然野川本流の水量も違っていて、前回は殆ど水涸れ状態だったのに今回は「川」と呼べるほどに充分な水が流れていた。
この違いは季節的なものだろう。表日本の乾燥した冬の後の3月と、梅雨の後の8月との違いだろうな、と思いながら歩いたことだった。
 

 

地形図

クリックして拡大表示でご覧ください。

 

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撮影データMap

クリックで、Googlemapと連動して表示されます。

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日立中央研究所大池からJR中央本線下をくぐって 

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JR中央線

国分寺駅から中央線に沿って、東(下り方向)に300メートル程の場所。
電車が左側の樹木で見えなくなっている辺りが窪地となっていて、地名も恋が窪となっているようだ。線路右側の日立中央研究所敷地内のその窪地に大池が有り、そこからの湧水がJR中央線の下を潜って南側(写真左側)に抜けている所。周りの台地を切り開いて来た線路敷が、逆に前方で窪地より高いところを通っているのが伺える。

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野川の始まり

JR中央線、南側

上掲、日立中央研究所大池の終端から、JR中央線をくぐって顔を出したところ。

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野川の上流部は土手道も無く、有ってもフェンスで仕切られ、住宅地に接していて川に沿っては歩けない。

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押切橋

野川最上流部の橋。
上記したように野川は住宅街を縫うように流れて来ているので川沿いには辿れない。ところどころに掛かっている橋の上からその様相を見るだけと言うことになる。

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橋からの上流部

フェンスが有って入ることが出来ない。

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橋からの下流部

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川の中からの押切橋

押切橋からの上流、下流を見て頂くと分かる通り、どちらもフェンスが有って川沿いに辿ることが出来ない。……と言うことで、これは川の中に入って見るよりしょうがない。
川の中、下流側から押切橋を見たところ。
残念ながらここから橋迄の間、水が両岸まで張っていて、長靴でもないと更なる上流部は遡ることが出来ない。残念だがここが確認できる最上流部と言うことにして、ここから川の中を下流に向かって歩く。

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下流方向

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水はキレイ

水源の大池から流れ出した直後の流れで生活雑排水などは流れ込んでいない。流石にキレイな水が流れている。それも結構な水量。この水量は季節によっても違っていることが、幾つかの水源を見ることでハッキリする。
バイカモと思しき植物が川底に見える。これだけで水のきれいさがわかる。

しかしこの清流が、こんなコンクリート護岸で立ち入りも出来ない中を流れるのでなく、普通に地上で眺められたり手に触れたりすることが出来るなら、素晴らしいのに、とつくづく思う。

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都道145号線を潜る野川

場所は東元町三丁目。
ここでも又、長靴でもないと渡れないので、取り敢えずここで地上に出て都道145の上に立つ。

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橋の上から上流方向(今、下って来た方向)を見る

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下流方向

今度は下流側。但し写真は少し下流側からの都道145号線を見たもの。
やはり下流も、地上では川沿いに辿る道が無い。再度川の中に入り下流に向かう。

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都道145の橋の下を、下流側から

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切梁

用水上のつっかい棒のようなものは「切梁」と言うんだそうだ。
コンクリート護岸の剛性を保つ為なんだろうが、一気に清流の風情を無くしてしまう。それに歩くのに頭がぶつかりそうになって邪魔なことこの上ない。

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この辺本当に上が低い。腰をかがめながらの前進。

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流れはそれ相応に癒される。
こんな風に人の目や立ち入りを遮断しないで、何とか開放できる仕掛けにしたら、いい親水エリアになるのに。

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コンクリート製だったりH鋼だったり、切梁にも種類が有る。

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前方、元町用水との合流点

前方、元町用水(真姿の池湧水群からの流れ)との合流点が見えて来た。又ここで流れ両側の歩行スペースが無くなって来たので、丁度左側に有ったはしごで地上に出る。

※ 元町用水(真姿の池湧水群等を集めての水路)については、「野川-3」参照。

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道路上からの野川

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元町用水との合流点

合流地点はチョッとした公園になっている。
ここで、真姿の池湧水群、国分寺脇からの水を集めての元町用水が、野川に合流する。国分寺駅南口から、殿ヶ谷戸庭園の脇を道なりに約400メートル程の距離。

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野川上流方向

野川に掛る小さな木橋は不動橋。

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不動橋から道路を隔てたところに建つ、石橋供養塔。
柄杓が置いてあり、ごく僅かな湧き水が見られる。飲めるのかな?

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元町用水の合流口

元町用水が中央の排出口から流れ込み、野川源流からの水と合流する。

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一里塚橋

合流した二つの流れが、再度野川としてここから流れ出す。都道133号線に掛るこの橋が一里塚橋。橋と言うより道路の下をトンネルで潜る、と言った感じ。

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Google Map 航空写真による全体像

全体の位置関係は下のGoogle Mapを参照して下さい。
左(西側)から野川が流れ込み、下(南側)から元町用水が合流。都道133号線を潜って、新たに野川として東に流れて行く。

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野川下流方向

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