2011年3月アーカイブ

No.78でも述べたように、特に議院内閣制を採る日本において、民主集中制は国民に責任を負う政党として、本来必要不可欠な組織原則であり、元々そこに何の問題も無い筈なのです。

「『民主』的な過程を経て決定し、多数で決まったことは『集中』して実践する。異なる意見は保留出来る」。こんなことは規律の程度に差こそあれ、中学校の生徒会でも認められていることで、まして近代政党としては当たり前のことです。
だからこそ自民党なども、時に派閥抗争が激化して世論の批判を浴びた時など、「共産党の民主集中制が羨ましい」とのホンネが出るのです。

 

引き続きT女史から、結構な数の書き込みが寄せられています。
だがその内容は残念ながら、論理矛盾、自己矛盾が目立ち、ハッキリ言って支離滅裂としか言いようが無いものです。
必ずしも反共的だとも思われないし、マルクス、科学的社会主義への理解も感じられるだけに、特に「民主集中制」に関連しての論理的混乱を、惜しい!!、と思う次第です。
どこかのセクトに属しているのかな?

>民主集中制がいかなる専制的実在を生むかということを検証して
民主集中制の問題点を提示することは、まさしく科学的社会主義の手法です(No.83)

いやー、ワンサカ出てきましたね。
トピ上げには貢献したようだが、残念ながら内容はイマイチでした。

【説明責任と独善主義】

>まして代わりうるものを示してから批判非難しろというのは、大衆の感じる独善主義そのものです(No.72)
>居直っている場合でではないでしょう (No.70)

「民主集中制」を最初に、そして繰り返し非難・論難を仕掛けて来たのは、他ならぬT女史、あなたですよ
それを受けて私は………、

  1. 「幹部達が自分たちのご都合で情報を管理支配している」と、民主集中制を非難するなら、その弊害が実際何処に現れているか、具体的な例を示して欲しい。
  2. 民主集中制への批判・非難は自由だが、その場合それに代わる組織原則を提示すべきではないか

…と、非難された側としては当然の疑問を呈した訳だが、返って来た答えが上記「独善主義」「居直り」。

 

T女史の書き込みを拝見するに、批判される必要が何も無いことについて、無理に論難を仕掛けているような、要するに「藁人形論法」に見えてしょうがないんですけどね。

勿論T女史が、共産党や共産主義を嫌い、民主集中制に批判的だとしても、それはもうT女史の自由で結構なんですが、同じ嫌うにしても、もう少し根拠に基づいての嫌悪、批判・非難で有った方が、お互い建設的だと思う"今日この頃"。

……と言うことで、何点か指摘しておきましょう。

    

 

 

>搾取の無い社会?
そんなの想像できませんね。
ボスが先に上手いものを食ってたことは容易に想像される。
>原始時代を美化したのはユダヤ≒キリスト教の、あるいはギリシャ神話による観念が淵源でしょう。

No-49で私は……、

「この弁証法的見地で歴史を概括している史的唯物論からすれば、原始共産制社会から奴隷制社会への移行も、やはり発展なのであって、実際、奴隷制社会に先立つ原始共産制社会が、奴隷制や封建制と比較してさえ、『牧歌的』で有ったなどとは想定していません」
「そう言う意味で、T女史による原始共同体のスケッチそのものは、私も同意する点が有ります」

…と、書いておきました。
マルクスにしてもエンゲルスにしても、「原始時代を美化」している訳では決してないし、
Nさんご指摘の「ボス」「暴力」「共同体と戦争」等を否定している訳でも、全く有りません。
あくまでも社会科学的な分析・呼称です(マルクスは当初「アジア的」との言い方をしていたようです)。

「マルクスと科学、現代」と言うトピですから、ここで後付けながら『搾取』について、社会科学事典(新日本出版社)から引用しておきます。

>史的唯物論の原点とも言うべき 原始共同体なるものが

マルクスとエンゲルスの共著『共産党宣言』の中で、当初彼らは、「すべてこ れまでの社会の歴史は階級闘争の歴史である」と述べた訳ですが、その後の研究によって、有史以前に階級の無い「原始共同体」と呼ばれる社会状態が有ったこ とが判明、その知見を加味してエンゲルスが、「これまでのすペての歴史は、原始状態を別にすれば、階級闘争の歴史であった」と修正、定式化するようになっ た訳です。

ですから原始共同体を特に、「史的唯物論の原点」と言う訳では有りません。
マルクスとエンゲルスは目の前の資本主義の研究から、そこに「階級闘争」を見出し、その知見で人間の歴史を俯瞰し、「すべてこれまでの社会の歴史は階級闘争の歴史である」との理解に達した訳で、史的唯物論の原点と言うなら、「資本主義」と言うべきでしょう。
マルクスの『資本論』も資本主義分析の書で有って、社会主義の解説書では有りませんから。

 

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