2012年2月アーカイブ

現代人を悩ます様々な身体的トラブル ――
その多くは、およそ500万年前、
人が類人猿から人へと移行した、そのことに起因している。
われわれは、なぜ、今も、”進化の傷あと”を
受けついでいるのか ――
”アクア説”なら、その説明が可能である。


人類の出現

「進化は過去に起こったことへの反応として生じるのであり、将来起こる筈のことに合わせて生じるのではない」(16p)

オーストラリアにはかって、モグラのように地中を掘り進む原始的な哺乳類が生息していた筈だ。そしてその生息環境が徐々に水中に没していた時期が、必ず有ったに違いない。さもなければ、アヒルのような口ばしを持つカモノハシが、この世に誕生する筈はなかったのだから。(16p)

化石の読み方

「比較解剖学的知見から生み出された仮説が、後になって、新たに発見された化石によって否定されたなどと言う例は、過去に一度もない」-エルンスト・マイヤ(ハーバード大、解剖学者)

アフリカでの人骨化石発見、一つの傾向
北で見つかる化石ほど、時代の古いものだった(34p)

分岐年代

  1. 1960?1970年代初頭 ―― 3000万ないし5000万年前頃と推定されていた。
    1967年、分子による分岐年代の推定 ―― 500万年前
  2. その後、チャールズ・シブリー、ジョン・アールクヴィストが、それぞれ独自にDNA交雑法 ―― 700万―900万年前。
  3. ディビッド・ピルビームの告白、1984年新聞「人間の祖先の枝分かれのさまを知る上では、化石よりも分子の語ることの方が役立つことが、今日ではハッキリした」

直立二足歩行がもたらす悩み

「全ての四足動物にとって、走る為に後ろ足だけで立ち上がるなどと言うのは、およそ正気の沙汰ではない。実に馬鹿げた行為なのだ」 ―― オーウェン・ラヴジョイ

歩く吊り橋→歩く塔

背骨
アーチ→真直ぐ→S字型

  • 腰痛
    一つ一つの椎骨は、上の椎骨の重さを全て支える→椎間板が押しつぶされる(全体で、1日2センチ半)
  • 太い足、大きな尻(片足?体重の1/6)
  • 内蔵の位置保持
    胸部は問題がない。肋骨と横隔膜
    腹部―哺乳類は例外なく腹部に肋骨がない(妊娠の為だろう)。下腹部の3つの筋肉が交差して支える。?しかし、そけいヘルニア。
  • 立ちくらみ
  • 足のむくみ、静脈瘤
  • 痔(直腸や肛門に起こった、静脈瘤)?四足動物は、尻が心臓より高い。
  • 直立による、アドレナリンの増加、6倍。
  • 高血圧
    血圧センサーの、1番主なものは首にある。

初期人類(ルーシー)

  • 現代人の足、踵からつま先まで、足全体の26%、
    ルーシー、35%(スキンダイビング用の足ひれをつけたまま陸地を歩くよりは多少ましとはいえ、それと大差ない状態―ロジャー・レーウィン)
  • 膝関節を伸ばしても180度以上に開かずに止まるメカニズムは、ルーシーでは不完全―クリスティーヌ・タルデュ、イヴ・コバン

各種二足歩行起源説

  • 危険をいち早く察知する
    パタスモンキー、プレーリードッグ、ミーアキャット
    察知した後、逃げる時二足歩行をする種はいない。
  • 獲物を追いかける為
    一番の反論、ルーシー。大きな脳、道具、武器を用いての狩り、全てに先だって直立二足歩行獲得。事実、アウストラロピテクス類の歯に、肉食動物の特徴は無かった。
  • 両手は採食用として―クリフォード・ジョリー
    ゲラダヒヒ(一応は二足歩行だとされている)の採食行動。しかし地面から直立しているのは、骨盤から上の部分?尻は殆ど地面についている。
  • 省エネ説
    進化は将来の得べかりし利益は拾ってくれない。
  • 食物運搬説―オーウェン・ラブジョイの仮説
    二足歩行獲得の場所は、サバンナではなく森(「不完全な二足歩行でサバンナに出たなら、たちまち命を落とす。だから森で獲得してから、サバンナに出て行った」)。それもねぐらで待つメスに食物を持ちかえる為に。?決定的な論理矛盾。因果関係の逆立ち。
    ○一夫一妻制の発達は、ホモ・エルガスターのじだいから。
    ○ 一雌一雄の種で、オスが食物を持ちかえる種は居ない。
    ○霊長類で、決まったねぐらを持つことはない。仮に持ったとしても、地中。
  • 真昼の暑さを避ける為。

http://www.asahi.com/international/reuters/RTR201202230107.html

今回、どうも観測の手違いらしいと云うことになりそうだ。
最初この「光りより早いニュートリノ発見」とのニュースが出た時、そのあまりに重大な事柄に、当然ながら慎重な見解が出されていた。

 

※ 2011年9月23日、光速を超えるニュートリノの実験に成功、との発表が有りました。これが事実なら「光より速い物質は存在しない」としたアインシュタインの特殊相対性理論を覆すだけでなく、現代物理学の基本的な前提を覆す「大発見」となります。

日本の名古屋大、神戸大の研究者も参加する「国際研究実験OPERA」のチームが、ジュネーブの CERNで、人工的に作ったニュートリノ1万6000個を、約730キロ離れたイタリアのグランサッソ国立研究所に飛ばしたところ、2.43ミリ秒後に到 着し、光速より60ナノ秒(1億分の6秒、ナノは10億分の1)速いことが計測された。とのこと。

研究チームは15000回もの実験を繰り返し、誤差を計算に入れても同じ結果が得られたという。チーム も「説明がつかない」と首をかしげており、あまりに重大な結果であり、論評を控え実験データを公表するに留め、世界中の研究者に意見と検証を求めたいとし ている。としている。

研究チームとしても慎重な測定の結果であり、事実とすれば冒頭のように物理学の根本を書き換える程の大発見となる訳だが、それだけに当然その発表に疑問を呈する専門家も多い。

例えば、スーパーカミオカンデ実験を率いる鈴木洋一郎東大教授の話として………、
物理の理論全体に与える影響を考える前に、別の機関による検証実験で、結果の正しさを確かめることが大事だ。1987年に小柴昌俊先生が超新星爆発で放出 されたニュートリノを捉えた際は、爆発による光もほぼ同時に観測した。両者の速度に今回の結果のような違いがあるとすると、ニュートリノは光よりも1年は 早く地球に到達していなければおかしいということになる。〔共同〕

京大霊長類研究所サイトより
http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/pub/ronbun/20120222/index.html

本日(2月14日)付け、新聞赤旗一面トップに「橋下市長が思想調査」と言う記事が載っている。
こんなことがまかり通るとすれば、日本は法治国家とは言えない。しかも片方では、公務員が休日に地域で新聞赤旗を配っただけで、刑事罰に問われているケースが有る。

こちらも参照のこと関連記事

新聞赤旗掲載の「橋下市長名の職員への文書」

橋元徹市長のサイン入りの「職員各位」への「アンケート調査について」(9日付)の文書は次の通りです。

市の職員による違法ないし不適切と思われる政治活動、組合活動などについて、次々に問題が露呈しています。
この際、野村修也・特別顧問のもとで、徹底した調査・実態解明を行っていただき、膿を出し切りたいと考えています。
その一環で、野村特別顧問のもとで、添付のアンケートを実施いただきます。
以下を確認の上、対応よろしくお願いします。

  1. このアンケート調査は、任意の調査ではありません。市長の業務命令として、全職員に、真実を正確に回答して頂くことを求めます。
    正確な回答がなされない場合には処分の対象となりえます。
  2. 皆さんが記載した内容は、野村特別顧問が個別に指名した特別チーム(市役所外から起用したメンバーのみ)だけが見ます。
    上司、人事当局その他の市役所職員の目に触れることは決してありません。
    調査票の回収は、庁内ポータルまたは所属部局を通じて行いますが、その過程でも決して情報漏えいが起きないよう、万全を期してあります。
    従って真実を記載することで、職場内でトラブルが生じたり、人事上の不利益を受けたりすることはありませんので、この点は安心してください。
    又、仮に、このアンケートへの回答で、自らの違法行為について、真実を報告した場合、懲戒処分の標準的な量定を軽減し、特に悪質な事案を除いて免職とすることはあり得ません

以上を踏まえ、真実を正確に回答してください。

 



その上で、22項目の調査内容を、氏名記載の上、インターネットサイトを通して回答する形式で求めていて、回答したくない項目を飛ばそうとしても、次に進めない仕組みになっている。

調査項目は例えば………、

  • 特定の政治家を応援する活動(街頭演説を聞いたり、知り合いの住所を知らせるなどを含む)に参加したか
    参加の場合は、自分の意思か、誘われて参加した場合は誘ったのは組合か、組合以外の者か、誘った人、誘われた場所や時間帯まで記入するように求めている。
  • 特定の政治家に投票するよう要請されたことが有るか
    いわゆる「紹介カード」を配布されたことが有るか。その場合、要請・配布した人、要請場所・時間まで答えさせている。
  • 「紹介カード」を「受け取った」と回答したものに対し、返却しかかどうか、その際情報を記入したのかどうか、情報を記入した人は何故記入したのか、その理由。

等々、その内容は「微に入り細に渡って」いる。
同時に深刻なことは、この内容が「密告」を奨励していることである。しかも「このアンケートへの回答で、自らの違法行為について、真実を報告した場合、懲戒処分の標準的な量定を軽減し、特に悪質な事案を除いて免職とすることはあり得ません」として、処分と絡めて申告を強制している。「特に悪質な事案………」と言っても、そこに客観的な基準などは無く、あくまでも橋下市長の恣意的な判断の下にある。

憲法が保障している「思想・信条の自由」への侵害は勿論、「内心の自由」さえも侵害する。橋下は弁護士だそうだが、恐れ入った弁護士もいたものだ。

先日も、沖縄防衛局長による、職権を利用した「講話」問題が発覚したばかり。
あからさまな公職選挙法違反の、この局長を、民主党政権は未だ罷免さえしていない。

橋下の今回の「思想調査」或いは沖縄防衛局長の「講話」が、なんら刑事罰に問われないとしたら、「法治国家」の名が泣くと云うものだし、こんな犯罪的な橋の下に、選挙の有利だけを考えて寄り集まろうとしている情けない国会議員が後を絶たない。
醜いことこの上なし。

ヒトの定義は「直立二足歩行」

  • 岩波生物学辞典
    1158ページ
    『結局のところ、ヒトは直立二足歩行を行うこと、そしてヒト特有の文化を持つことで類人猿とは区別される』
  • 「最初のヒト」アン・ギボンズ著 新書館
    400ページに渡る全ての内容が、『直立二足歩行=最初のヒト』を当然の前提として、その痕跡を探す化石ハンターのドキュメント、及びヒトの定義など。
  • 「人類進化99の謎」河合信和著 文藝春秋
    17ページ
    『脳の拡大は人類史でもずっと後のことで、直立二足歩行こそが人類の特徴であり.........』
  • 生命150億年の旅 湯浅精二著 新日本新書
    208ページ
    『大切なことは脳容積がかってに大きくなった生物がヒトでは無く、脳容積を大きくしたのがヒトなのです。つまりホモ・エレクトス(雄・注、今はもっと古い ヒトが発見済み)の時代から、足を発達させました。自由になった手は道具を作り利用するようになりました。その結果として脳が発達して来た訳です』
  • 人類の起源論争 エレイン・モーガン著 どうぶつ社
    37ページ
    『2足歩行を常時行っていると言う点が、ゴリラやチンパンジーなどアフリカの類人猿たちと人間を掛ける基本的な違いであることに、異存の有る人はいないだろう』
  • 赤の女王 マット・リドレー著 翔泳新書
    6ページ
    『人間の本性もまた、社会性を持ち、2足歩行する類人猿の特性から進化して来たのではないだろうか』

その他ネットからの出展も含め、こちら参照

直立二足歩行はトンデモナク常識外れの移動様式

進化の傷あと ―― エレイン・モーガン

間違いの無い一つの傾向(34ページ)
1960年以降、ミッシングリンクを求め、アフリカでの発掘が旺盛化し重要な発掘が相次いだ。
その中で、一つの傾向がはっきりして来た。 ―― 北で見つかる化石ほど、時代が古い
 

○ 分子進化学(40ページ)

  1. 1967、ヴィンセント・サリッチ、アラン・ウィルソンによって発表
    500万年前に分岐
  2. チャールズ・シブリー、ジョン・アールクヴィストによる、遺伝物質の構造全体(ヌクレオチドの配列でなく)の相違点を、DNA交雑法により測定成功。
    700-900万年前

………と言う訳で、現在では「600万年前ないし700万年前ごろのある時期におそらくはアフリカ北東部の紅海沿岸で、類人猿の1グループが、2本足で立って直立歩行を始めた」(42ページ)。
※ 注目すべきはこの本が出版されたのが、1999/1/20であることである。今のところ最古の人類化石とされるサヘラントロプス・チャデンシス(トゥーマイ)―約700万年前とされる―が発掘されたのが2002年7月。オロリン・ツゲネンシス―約600万年前とされる―の発掘が2000年。
分子時計による年代予測の後に発掘されたこれら化石が若し、本当にヒトの祖先化石であるとしたら、年代がドンピシャリ。

○ 「全ての四足動物にとって、走る為に後ろ脚だけで立ちあがるなどと言うのは、およそ正気の沙汰ではない。実に馬鹿げた行為なのだ」 ―― オーウェン・ラブジョイ(44ページ)。

○ 直立二足歩行は「高い買い物」(45ページ)

  1. われわれは歩く塔
    一般の哺乳類は「歩く吊り橋」
  2. 間違いだらけの設計図
    脊椎の下部が太く、骨盤両サイドの蝶骨の端が腸の重みを支える受け皿のように平たく広がった、 ―― 数百万年かけての、幾分の改良。
  3. 腰痛の最大原因
    人間の身体の中で最初に老化するのは脊柱。米国で国民の70%の調査結果
    ブラキエーションは直立二足歩行の前適応とはなり得ない。背骨にかかる負荷は対局。 ―― 腰痛患者に対する牽引療法
     その適応 ―― 太い足と大きな尻―片足1本の重さ、1/6。立ち上がる時の力、歩き続けるときの力。
  4. ヘルニアの恐怖
    ウエストから上の部分は特に問題ない。肋骨と強力な膜である横隔膜。
    哺乳類には腹に肋骨がない ―― 妊娠時の腹の膨らみに対応か。
  5. 立ちくらみ
    直立姿勢による、血液への重力の影響。逆立ちしてみると、逆にすぐ分かる。
  6. 足のむくみや静脈瘤 ―― 心臓への血流が直立によって阻害、四足動物に比べ、距離は2倍。
    特に妊婦―胎児の重みによって骨盤の太い血管が圧迫される。
  7. 痔の痛さ
    直腸や肛門に静脈瘤が出来たのが、痔。
  8. ホルモンに当たえる影響
    緊急事態に対応するホルモン「アルドステリン」=起立によって6倍に増える
  9. 高血圧
    血圧センサーは首の部分。足の部分は高血圧状態 ―― 内分泌系で調整しているが、直立により1日の間に目まぐるしく乱高下。

直立二足歩行獲得の、さまざまな説と、その問題点

「直立歩行の起源について、私たちはこれまですっかり勘違いしていたと云うことを、認めなくてはならない。強い先入観にとらわれていたことが、間違いの原因だろう」 ―― シャーウッド・うウォッシュバーン&ロジャー・レーウィン

※ こちら(直立 二足歩行 直立二足歩行)参照

  • 危険の察知
    例 ―― パタスモンキー、プレーリードック、ミーアキャット等
    反論 ―― 立ち上がって遠くを見渡す動物は例外なく、危険の接近を察知すると………全力で走り去る。そして当然ながら、パタスモンキーのようなサバンナの類人猿にとって、全力で走るとは、すなわち四足全部を使って走ることなのだ。
  • 獲物を追いかけ狩る為に
    主張 ―― 周囲に好物が満ち満ちていた森林の類人猿が草食を通したのに対し、それらの乏しいサバンナ類人猿は動物を狩らざるを得なくなった。
    根拠 ―― レイモンドダート論文(1953)、マカパンスガット洞窟から、ヒト化石と一緒に、砕かれたヒヒの頭骸骨を含む多くの動物の骨。
    反論 ―― 見つかったヒト化石自体が別の肉食動物の犠牲。
    何と言っても、ルーシーの発見(或いはそれ以後のより古いヒトの発見) ―― ヒトは大きな脳や道具、武器を使用しての狩りをする、はるか以前に、さらに言えばサバンナ形成前に直立二足をしていた。
  • 両手は採食専用として
    クリフォード・ジョリー論文(1970)、ゲラダヒヒ(一応二足歩行とされている―ただし大いに問題あり)の観察から。栄養価の低い草食の場合、1日のうち長い採食時間を必要とし、前肢はその為に忙しい。歩行につかわれない。
    反論 ―― ゲラダヒヒの採食事の移動は、直立ではなく骨盤より上の部分のみ。又殆ど三点保持―二足ではない。
  • 辛抱強い訓練の結果
    根拠 ―― 野生のチンパンジー、ゴリラなどに二足歩行の観察例が見られる。ヒトの場合その程度が高いだけ。
    反論 ―― イリノイ大学ジャック・プロスト、「四肢の動きも、間接周辺への力の掛かり方も大きく違っており、この二つの運動をともに”二足歩行”という同じ用語で呼ぶのさえ不適当に思える。(中略)この二つは全く別のものであり、一方が他方の極めて未熟な形で有ると云う意味においてのみ、似たような名前で呼ぶことが許されるだろう。
  • 食物運搬の為
    「人間の起源」(1981)、オーウェン・ラブジョイ
    ラブジョイは直立二足の起源を、サバンナでなく森で有るとした「まだ二本足でうまく歩けないうちにサバンナに出てゆき、そこで二足歩行を完成したとは考えられない。二本足で自由に歩けなければ、そこに出て行った筈がない。たちまち命を落としてしまう」
    狩りに出た祖先の男がねぐらで待つ女に食物を持ちかえる為。
    反論 ―― 霊長類のオスはメスに食物を持ちかえったりはしない。そもそも一夫一婦制をとっている種はテナガザルだけ。
    子育てにオスが関与して他の種より多くの子供を育てることを可能としている種としてマーモセットが有るが、食物を持ちかえることはしない。
    獲物を持ちかえるのに二足歩行をする動物はいない。通常三本足。
    決定的な矛盾 ―― 1雌1雄は直立二足歩行の結果であって、その原因には絶対にならない(何故ラブジョイ程のものが、こんな初歩的な間違いを犯すのか)。
  • 真昼の暑さを避けるため
    二足歩行起源の理由を日光に求める説は、1970年、R・W・ニューマンによって最初に述べられ、1884年、ピーター・ウィーラーによって整理された。
    四足では17%、直立で7%の日光照射。頭だけ頭髪が退化せず残った。
    反論 ―― 類人猿が立ち上がるのに大きなエネルギーが必要で、効果を帳消しにする。
    それほど熱に弱い生き物だったとすれば、日中に採食する生き方そのものを選択しない筈。
    共通した弱点 ―― サバンナに進出した霊長類は幾つもあるが(ヒヒ、ゲラダヒヒ、パタスモンキー、サバンナモンキーなど)どれ一つとして、暑さの為に直立した種はいない。

アクア説

直立二足歩行のメリットとデメリット

先ず従来の「直立二足歩行起源」説の大半は、サバンナ説に基づいている。これは既にサバンナ説そのものが、ルーシーやオロリン、サヘラントロプス・チャデンシス(トゥーマイ)などの発見により完全に破綻 ―― 彼らが二足歩行を始めた時、未だアフリカにサバンナは形成されていなかった。
「イーストサイド・ストーリー」提唱者である、イヴ・コバン自身、トゥーマイの発見を機に、自説を撤回している。

その上で敢えて言えば、従来のさまざまな説には共通した弱点が有る。
上記、「直立二足歩行はトンデモナク常識外れの移動様式」で示した、二足歩行のデメリットは、全て二足歩行を始めたばかりの時期に一番大きい。 それに引き換え、サバンナ説主義者の説で説かれる、二足歩行のメリットは、その最初には殆ど意味を持たない。 このような形質を、自然選択が拾う筈がない。

それに対し「アクア説」は、事態が逆になる。

  1. 水の中での直立姿勢は、死活的な選択圧となる。
  2. 二足歩行の、主に重力によるデメリットが、水の中では浮力により殆ど消え去る。

直立二足歩行獲得の時期

サヘラントロプス(トゥーマイ)の、700万年前と言われる推定生息年代が正しければ、共通祖先から分岐して、殆ど間を置かずに直立二足歩行を獲得したことになる。
そこに、「死活的」選択圧が有ったと考えないと、無理が出る。他の説では悠長すぎて説明がつかない。

最初ヒトの分岐問題に分子を持ちこんだのは、ヴィンセント・サリッチ、アラン・ウィルソン。その時の想定分岐年代は480万年-500万年前。
次に、チャールズ・シブリー、ジョン・アールクヴィストによる想定分岐年代は700万年前。
現在もほぼ700万年前とされている。それ以上古くなると、ゴリラとの分岐年代(900-1000万年前)との関係に矛盾が出る。

「アクア説」補強の傍証

このアーカイブについて

このページには、2012年2月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2011年8月です。

次のアーカイブは2012年3月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

Powered by Movable Type 5.13-ja