新聞赤旗記事(2014/6/23)、転載
ネアンデルタール人への進化は顔と歯から始まった―。国際的な人類学研究グループが、スペインに有る約40万年前の遺跡から見つかった人類化石を調べた結果分かったと、20日発行された米科学誌『サイエンス』に発表しました。ネアンデルタール人らしい様々な特徴の多くは最初から備わっていた訳ではなく、その後たどった歴史の中で徐々に形成されたことを示すと言います。
ネアンデルタール人は、数十万年前から3万年前ごろにかけて現在のヨーロッパや西アジアに住んでいました。顔が大きくて中央部が前に突出している他、顔の頂部が低くつぶれた形で長いなど、同時代に他の地域に住んでいた人類祖先とは異なる特徴を持っていました。こうした特徴はどのように形成されたか、人類学上の大きな謎となっています。
研究グループは、スペイン北部のアタプエルカにある約40万年前の洞窟遺跡、シマ・デ・ロス・ウエソスでこれまで見つかったたくさんの人類化石を調べてきました。これらの化石はネアンデルタール人の祖先とみられ、17人の頭蓋骨が含まれています。
頭蓋骨等を詳細に調べた結果、ネアンデルタール人らしい特徴は顔や歯に現れていたものの、そのほかの部分には現れていませんでした。ネアンデルタール人の前歯は大きく、食べ物を噛むだけでなく皮をなめす際に使われるなど”第3の手”の機能を果たしていたと考えられています。
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