弁証法的唯物論

マルクス主義理論の三つの構成部分(哲学、経済学、科学的社会主義)の一つ。そのおもな特徴は次のことにある。

  1. 唯物論的であると同時に弁証法的であること。
    すなわちそれまでの唯物論が形而上学的(機械的)であった欠陥を克服して、最も全面的で内容豊かな、かつ深遠な発展の学説である弁証法をヘーゲル哲学から受け継ぎ、しかもヘーゲルの観念論的弁証法を唯物論の立場からつくり変え、こうして唯物論と弁証法とを不可分に統一していること。
  2. このことによって、自然をも社会をも一貫して唯物論的に捉えることが出来るようになり、従来の唯物論の欠陥を克服して、社会とその歴史の理解にまで唯物論を貫徹させて、史的唯物論を確立したこと。
  3. 世界を変革すると言う実践の立場に立ち、かつ真理の基準としての実践の意義を明らかにしたこと 。
  4. 自然科学が得た新しい成果を総括して、自然の弁証法的性格を捉え、自然科学の理論的基礎を明確にしたこと。
  5. 労働者階級の革命的・歴史的な使命を認識して、この階級の哲学であることを宣言したこと。したがってこの哲学はマルクス主義政党の世界観である。

弁証法的唯物論は19世紀40年代にマルクスとエンゲルスによって打ち立てられたが、その後第二インタナショナルの時代にこの哲学に対する軽視や、これを修正する動きが現れた。
これに対してレーニンは、こうした修正主義を克服し、弁証法的唯物論と科学的社会主義とは切り離せないことを強調するとともに、観念論の新しい諸流派との闘争の中で、資本主義の発展と科学の新しい発展に対応して、この哲学を一層発展させた。
弁証法的唯物論は、このように新しい事態の出現に対応して発展してゆく創造的な性格を持ち、実践活動並びに理論的研究の指針となるものである。

弁証法的唯物論に基づかなければ、一面性と主観主義を生み、思想を硬化させ、実践から遊離させ、事物や現象を正しく分析する能力を失い、修正主義的な又は教条主義的な誤りや政策上の誤りをもたらす。
弁証法的唯物論から離れることは、労働者階級の立場から逸脱し、革命の事業を裏切り、社会主義から共産主義へと進む、建設の大義を放棄するに等しい。

(社会科学事典 ―― ―― 新日本出版社)より

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