林檎倶楽部>青春の青林檎>K高校の思い出-2> K高校七不思議 >NEXT
私が卒業したのは、もう遥か昔のことになりますが、私が出たK高校にこんな話が有ります。
K高校には寮が有って、私もそこに入っていました。
その寮に伝わっている「K高校七不思議」と呼ばれるものです。
寮生の一人が賄いのおねえさんと、いわゆる出来てしまいました。で、女性が妊娠してしまったんですね。
それまでは夢中だった男も、途端に冷たくなってしまいました。(よく聞く話の展開です)
女性は途方に暮れたのですが、誰に相談することも出来ず、(当時は、今と違い世間の目がきつかった)段々お腹が大きくなるにつれ、回りからは好奇の目で見られるし、半狂乱になった親からは激しく詰問されるし、
で、とうとう臨月になったある日、女性は寮のトイレの奥から二番目の「個室」で赤ん坊を産み落とし、自分はそこで首を吊ってしまいました。(当時は当然ポットントイレでした)。
さて、それから…、
奥から二番目のトイレの扉が、いつも半開きになっているんですね。
閉めた、と思っても、ふと後を見ると自然に開いている。
又そのトイレで用を足そうとしてしゃがむと、下から赤ん坊の手がニューっと出て、その…、なににしがみつくんですね。
そして苦しそうに「出してくれー」と叫ぶんですよ。赤ん坊が喋る筈は無いんですが、そう聞こえるらしいんですね。
皆さん、特に女性の皆さん、奥から二番目のトイレでしゃがむ時は気を付けましょう。
すっかり癖になり、やみつきになった女性を何人か知っています。
K高校は、昔火災に見舞われました。
夜のことでも有り、校舎の半分くらいが焼失してしまいました。全寮制の頃の話です。
寮は廊下で校舎と繋がっていたのですが、結構長い廊下で、廊下の突き当たり、つまり校舎に繋がるところに60センチ×1メートル位の鏡が掛かっていました。
廊下の片側には寮の食堂や厨房が有り、その一隅に当時、賄いの叔母さん(と言うより、老婆)が一人、住み込みで暮らしていました。
朝食のご飯の火を入れる、等の仕事が有ったんでしょうね。
火は、その厨房から出たらしく、寮本体は火災を免れましたが、廊下を含めたそれら食堂や厨房は燃えてしまいました。
老婆が火災に気が付いたのは、大分火が回ってからのようです。
廊下の突き当たり、鏡の前で煙と火に包まれました。髪に、着物に火がつき、老婆は鏡にへばり付くように息絶えました。
奇跡的に鏡は残ったので(老婆の身体が盾の様になったんでしょうね)再建後の廊下の突き当たりにそのまま掛けて置く事にしました。
さて、その後の展開は有る程度想像がつくかも知れませんね。
そうです…、
夜、何かの用でその廊下を歩いていると、真っ暗い中、ずーと向こうの突き当たりに、なんか赤いものがチラチラしている。
訝しがりながら、さらに歩いて行くと、どうもそれは鏡の中かららしい。気持ちは悪いが、怖いもの見たさにさらに近づくと……、
鏡の中は真っ赤な火の海。
それを背にこちらに向かって物凄い形相でしがみついている老婆の姿。
鏡はその時の様子を写し取っていたんですね。
髪に火がつく、着物にも…。そのうちに皮膚が焼けて来る、「助けてくれー」、いくら叫んでもどうすることも出来ない。
生きながら焼かれて、しがみついている姿、それが全て鏡に映し取られていたのです。
と言うことで、この「鏡の前」も、後から話をする「肝試し」ツアーの人気スポットの一つでは有りました。
所で、最初に書いたようにこの話は本当の話です。
その証拠に、ここまで「身を入れて」読んできた貴方、特に女性の貴女、貴女にはこの老婆の怨念が乗り移っています。
今日以降、貴女が鏡を覗く度、必ずこの話を思い浮かべます。そうすると鏡の奥にチラチラと…。
特に夜のトイレの後、洗面所で手を洗い、ふと目の前の鏡を見ると、自分の顔にオーバーラップして、あの老婆の顔が…。